研究実績の概要 |
前年度までにおいて、骨肉腫のマウスモデルで無治療群、薬剤単独群、放射線(X線)単独群、薬剤+放射線併用群を比較することにより、X線とPD-L1抗体及びCTLA-4抗体の併用により骨肉腫に対して著明な抗腫瘍効果が得られることを明らかにすることができた (Takahashi Y, Seo Y, Ogawa K et al. Plos One, 2017)。さらに、炭素線とPD-L1抗体及びCTLA-4抗体の併用により骨肉腫に対して著明な抗腫瘍効果が得られることを明らかにすることもできた (Takahashi Y, Seo Y, Ogawa K, et al. Oncotarget, 2019)。また、膵がんマウスモデルに対して、X線とPD-L1抗体及びCTLA-4抗体の併用により骨肉腫に対して著明な抗腫瘍効果が得られることを確認した(Takenaka W, Ogawa K, et al. Cancers, 2020)。 次に、放射線の1回線量、分割回数を変えることにより、免疫療法との併用における効果の違いを検討した。LM8 ostersarcoma cellsにおける検討では、16 Gyまでの線量増加、または8 Gy x 3回の放射線において有意なIFN-betaの放出を認めた。また、CTLA-4の併用により、照射部位のみならず非照射部位の腫瘍も著明に縮小が認められた(Takenaka W, Ogawa K, et al. Cancers, 2020)。また、温熱療法の併用により治療効果の増強も認められた(Ibuki Y, Ogawa K, et al. Int J Hyperthermia, 2021)。以上より、CTLA-4併用放射線治療において、照射部位及び非照射部位への治療効果増強のためには線量増加や温熱療法、等が必要であることが示唆された。
|