研究課題/領域番号 |
18H02776
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
木村 泰之 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 認知症先進医療開発センター, 室長 (20423171)
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研究分担者 |
池沼 宏 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, 研究技術員 (10751159)
小縣 綾 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 認知症先進医療開発センター, 研究員 (10805857)
鈴木 弘美 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (30340269)
古山 浩子 岐阜大学, 工学部, 准教授 (50402160)
加藤 隆司 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 認知症先進医療開発センター, 室長 (60242864)
季 斌 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 主任研究員(任常) (80392223)
鈴木 正昭 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 認知症先進医療開発センター, 研究員 (90093046)
外山 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90247643)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ミクログリア / 神経炎症 / アルツハイマー病 / 陽電子断層撮像法 / PET |
研究実績の概要 |
ミクログリアに特異的に発現する分子を標的とした新たなPETリガンドとして、[11C]NCGG401の標識合成法を確立し、その有効性評価を行った。健常ラット及び、てんかん重積モデルラットに[11C]NCGG401を尾静脈投与し、PET撮像及び動脈血代謝物分析を実施した。その結果、[11C]NCGG401は健常ラットにおいて、PETイメージングのための十分な脳内移行性と早い洗い出しを認めた。また、非標識NCGG401の前投与により、分布容積は減少し、てんかん重積モデルラットにおいて、分布容積は増加した。以上の結果より、[11C]NCGG401は標的分子への結合特異性を有し、ミクログリアイメージング用PETリガンドとして有用である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、ミクログリアに特異的に発現する分子を標的とした新たなPETリガンドとして、[11C]NCGG401の標識合成法を確立し、その有効性評価を行った。また、計画する新たな標的に対するPETリガンドの前駆体合成も終了したため、計画通り進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、ミクログリア特異的な2種類の分子を標的としたPETリガンドの評価・開発として、それぞれの標的に対するシーズ化合物を元にしたPETリガンドの標識合成法の確立を行い、小動物においてそれらの有効性を明らかにする。 本年度は、それぞれの新規PETリガンドの小動物における有効性評価として、以下の検討を行う。まず、健常ラットに投与し、PETイメージングによる脳移行性を評価する。ミクログリア密度や、疾患関連ミクログリアが増えている疾患モデルマウス(放医研に導入済みの虚血モデルやタウオパチーモデル rTg4510)を用いて、特異結合の程度、他分子との選択性、脳内・血漿中代謝、定量性の評価を行う。また、autoradiographyや結合性試験、標的分子の特異的抗体を用いる免疫染色、レーザーマイクロディセクション質量分析イメージングを用いて、PETリガンドの細胞特異的な集積評価を行う。小動物において有効性が認められた場合は、安全性評価の後、臨床PET試験を実施し有効性を評価する。
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