研究課題
本年はwt Ikzf3およびIkzf3 G158R単独変異マウスの胸腺細胞を用いて、wtおよび変異Ikzf3によるT細胞分化制御の詳細なマッピングを行った。具体的には、ChIP-seqを用いて、wt Ikzf3がコンセンサス結合配列であるGGGAA, TGGAAに会合すること、G158R variantはGGAGC, GGAGG, CCCAGAなど新規配列に会合することを明らかにした。またEMSAではIKZF3 G159R variantがIKZF3 probeへの結合を阻害し、ルシフェラーゼアッセイでは、同variantがIKZF1による転写を阻害することを証明した。B細胞でのG159R variantの転写制御についてはNALM-6 B細胞株を用いて検証した。G158Rによるマウス表現型は、C末端を欠如させると、救済されることから、hetero/homodimer形成が、病態形成に関与すると理解される。これらのデータから、G159R(マウス:G158R)変異はIKZF3を阻害し、またIKZF1の機能も阻害するということが判明した。この病態はheteromeric interferenceという新しい病態概念である。これらについては論文を投稿し、令和2年度末の時点で「Accept in principle」との決定をうけた。海外共同研究によるIKZF3新規変異解析では、B細胞及びT細胞の分化異常が示され、患者T細胞を用いたRNA-seqやChIP-seqのデータ解析を行った。あわせて、EMSA、レポーター遺伝子アッセイ、核内局在解析を実施し論文投稿の準備を行った(学会発表予定参照)。また研究協力者の支援のもとで、モデルマウスの作成にあたっている。各種モデル細胞については遺伝子改変のためのコンストラクトを作成しており、次年度以降の研究の展開に向けた準備が整った。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Immunology
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