研究課題/領域番号 |
18H02780
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大薗 恵一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20270770)
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研究分担者 |
道上 敏美 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), 環境影響部門, 部長 (00301804)
妻木 範行 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (50303938)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 骨形成不全症 / 骨系統疾患 / iPS細胞 / モデルマウス / 遺伝子診断 |
研究実績の概要 |
骨形成不全症(OI)患者由来iPS細胞を骨芽細胞に分化誘導させる実験系を用いて4PBA(phenylbutyric acid、オーファンパシフィックより薬剤として提供)の効果は、石灰化や遺伝子発言において有効性を見出し、論文投稿した。軟骨細胞に分化させる実験系は確立できて、OI患者由来iPS細胞を軟骨細胞に分化させたのち、免疫マウスへの移植実験を行い、移植片の中に軟骨組織と海面骨組織を認めた。今後、4-PBAの効果をみるために免疫不全マウスに4-PBAを投与して、移植片の組織の検討を行うxenograft model実験を計画している。当科で見出したCOL1A1変異を組み込んだノックインマウスを作製した。今後、うまく子孫に伝わるかどうか確認するとともに、その表現型を確認する予定である。予備実験として、マイクロCTや骨系他計測、3点曲げ試験のような実験系への習熟を図っている。このノックインマウスの成長軟骨帯から軟骨細胞を単離してsingle cell-RNA-seqを行う実験は、複数の研究室から実験プロトコルの提供を受けたので、マウスの表現型が確認でき、数が増えて後、行う予定である。lineage traceが可能なeGFPをreporterとして組み込んだ発現ベクターを構築した。53例の骨形成不全症患者の遺伝子診断について、約20の遺伝子を検討できるパネル遺伝子解析し、表現型との関連性を検討したので、論文として投稿した。パネル遺伝子解析は検出感度に問題があるので、現在は、whole exome sequence (WES)に遺伝子解析の方法を変更し、あらたなOI患者で遺伝子変異を同定中である。患者登録システムを構築し、他施設が共同して、OI患者を集め、WESにより遺伝子解析をことも計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物舎が施設建て替えのために閉鎖となり、マウスのケージ数が著しく減少し、実験に必要なマウスの数の確保が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
患者の遺伝子診断の数を増やすことやin vitroでの実験を進めておく。マウスは他のプロジェクトと調整して、少しでも数を増やす。さらにマウスが必要な場合は、外部施設への委託も検討する。
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