研究課題
A.骨形成不全症(OI)患者の線維芽細胞、患者由来iPS細胞から分化誘導した骨芽細胞が産生するコラーゲンの検討:OI由来では、電気泳動の遅延(overmodification)を認めた。コラーゲンの糖鎖の過修飾については、質量分析により確認した。細胞内に留まるコラーゲンはGly変異で有位に増加した。ブフェニールの投与により、これらのコラーゲンの異常は改善することを示し、論文発表を行った(Takeyari S, JBC 2021)。B.シグナリングの検討:TGF-βシグナルに若干の差を認めたが、その差は大きくない。C.患者における検討:OI19例において血中スクレロスチンと身長、体重と関連性があり、骨塩量ともその傾向を認めた。学会発表し、論文投稿を行った。D.表現型と遺伝子型の相関:遺伝子パネルを構築し、45家系、47名の解析を行った。その結果、36名の患者で遺伝子変異が同定され、グリシン変異(A群)、ナンセンス変異+フレームシフト変異(B群)、スプライス変異+重複(C群)、その他のミスセンス変異(D群)に分類し、Sillence分類による病型、治療開始前年間骨折回数、腰椎骨密度(BMD)を比較したところA群は重症型のIII型が有意に多く、また骨折回数が有意に高値で重症であった。一方、BMDについては4群間に有意差は認められなかった。論文発表を行った(Ohata Y Osteoporos Int 2020)。E.治療薬の開発: COL1A1変異(p.G810S)を組み込んだノックインマウスを作成した。体重はG810Sヘテロマウスで有意に小さかった。マイクロCT、大腿骨中央部の皮質骨体積と骨髄体積、3点曲げ試験によりG810Sヘテロマウスの骨脆弱性が示された。骨形成不全症治療の候補薬(ブフェニール)は、発売元のオーファンパシフィックから供与を受けたので効果を検証する予定である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Osteoporosis International
巻: 31(6) ページ: -
10.1007/s00198-019-05076-6
Journal of Biological Chemistry
巻: 296 ページ: 100027
10.1074/jbc.RA120.014709.