研究課題
申請者らは世界最大のヒトタンパク質発現リソースHuPEX (Human Proteome Expression Resource)(約2万種)を基に高操作性・ハイスループットなプロテインアレイを作製し、正味のチロシンキナーゼ活性を高感度に測定する系を初めて確立した。本研究目的は新技術プロテインアレイを用いて、NAFLD/NASH肝組織のリン酸化プロファイルを明らかにして新規治療標的を同定する。本年度はAth+HFDマウス肝組織の12週(Ath+HFD:5サンプル、コントロール:5サンプル)、30週(Ath+HFD:5サンプル、コントロール:5サンプル)、60週(Ath+HFD:5サンプル、コントロール:5サンプル)のリン酸化アレイを行った。1377個のリン酸化タンパクを標的とし、1サンプルあたり、6回の測定を行い、計180アレイの解析を行った。コントロールと比較し、12週では137個(p<0.005)、30週では154個(p<0.005)、60週では36個(p<0.005)の遺伝子のリン酸化変動が認められた。60週ではむしろ変動遺伝子の低下が認められ、炎症シグナルの減弱によるものと推察された。12週から60週までの全てを対象とした場合、変動遺伝子は203個(上昇:148個、低下:55個)(p<0.005)であった。発現上昇する遺伝子のパスウェイ解析では1)WNTシグナル、2)ケモカインシグナル、3)TGF-βシグナル、4)神経ペプチドシグナルの活性化が認められた。一方、発現低下する遺伝子のパスウェイ解析では1)血管新生制御、2)細胞接着、3)好中球活性化制御が認められた。特に変動の大きな13遺伝子の中には、液性因子レセプターが含まれ、創薬の候補になり得ると考えられた。
2: おおむね順調に進展している
Ath+HFDマウス肝組織のリン酸化アレイを実施し、標的リン酸化蛋白の候補を同定した。また、ヒトNASH肝組織におけるリン酸化プロファイルを施行中である。
申請者らは世界最大のヒトタンパク質発現リソースHuPEX (Human Proteome Expression Resource)(約2万種)を基に高操作性・ハイスループットなプロテインアレイを作製し、正味のチロシンキナーゼ活性を高感度に測定する系を初めて確立した。本研究目的は新技術プロテインアレイを用いて、NAFLD/NASH肝組織のリン酸化プロファイルを明らかにして新規治療標的を同定する。本年度はAth+HFDマウス肝組織の12週(Ath+HFD:5サンプル、コントロール:5サンプル)、30週(Ath+HFD:5サンプル、コントロール:5サンプル)、60週(Ath+HFD:5サンプル、コントロール:5サンプル)のリン酸化アレイを行った。1377個のリン酸化タンパクを標的とし、1サンプルあたり、6回の測定を行い、計180アレイの解析を行った。現在、ヒトNASH肝組織手術サンプル(20症例:癌部・非癌部)の解析を実施中であり、マウスの結果との比較を行う。マウスモデル解析では液性因子レセプターが同定されたことから、液性因子レセプター抗体を用いた in vitro及びin vivoでの検証を行う。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 オープンアクセス 15件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件)
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