研究課題
・LX-2細胞と肝癌細胞と共培養すると、LX-2細胞のオートファジーが促進し、肝癌細胞の増殖が促進した。共培養により発現が上昇し、Atg7欠損により上昇が抑制される分泌タンパクを網羅的解析で探索し、発現の変動が最も大きいGDF15に着目した。GDF15の添加は肝癌細胞のERK・AKTをリン酸化し、肝癌細胞数を増加させた。GDF15の受容体であるGFRALを欠損させた肝癌細胞では、LX-2細胞と共培養しても増殖促進効果を示さなかった。GDF15欠損LX-2細胞では、肝癌細胞と共培養時の細胞増殖促進効果は抑制され、共移植したゼノグラフト腫瘍の腫瘍増大速度は抑制された。肝星細胞特異的GDF15欠損マウスにNASH肝発癌を誘導したところ、野生型マウスに比して形成された最大腫瘍径は有意に小さく、腫瘍部のKi67陽性細胞は減少した。・CL2細胞にBcl-2/-xL/-w阻害剤であるABT-737を投与してアポトーシスを誘導すると、Gab1のリン酸化は認めなかったが、Gab1の断片化・p35-Gab1が出現した。siRNAによりGab1をノックダウンしてABT-737を投与すると、Bcl-xLの発現は低下しアポトーシスが亢進した。p35-Gab1を強制発現するとBcl-xLの発現は増加した。肝細胞特異的にMcl-1を欠損させたマウスは、持続的な肝細胞アポトーシスが惹起される。このマウスの肝臓では、Gab1のリン酸化は認めなかったがp35-Gab1の出現を認めた。Gab1単独欠損マウスでは血清ALTの上昇は認めないが、Mcl-1およびGab1ダブル欠損マウスではMcl-1欠損マウスに比し、肝臓におけるBcl-xL発現は低下し、肝細胞アポトーシスは増悪した。また、線維化は進展し、肝発癌率も増加した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol.
巻: in press ページ: in press
10.1152/ajpgi.00370.2020.
Sci Rep.
巻: 11 ページ: 3363
10.1038/s41598-021-83082-7.
Gastroenterology.
巻: 160 ページ: 1741-1754
10.1053/j.gastro.2020.12.015.