研究課題
完全房室ブロックを作成したウサギに植え込み型除細動器を挿入することで心臓突然死の原因になる心室細動(VF)ストーム家兎モデルを作成しており、ストームが頻回発生している状況での緊急光学マッピング実験を実施している。また、上記のVFストーム家兎モデルを継続的に作成し、経過観察中にVFストームを発生したウサギを速やかにその他の評価系(心筋組織染色、遅延Na+電流阻害薬を用いたin vivo実験)に載せ、「VFストームの不整脈基質がどのように形成されるのか?」「不整脈基質をどのように抑制するべきか?」を常に考慮し研究を継続している。VFストームの発生源(TdP)に焦点を絞って新たに解析を追加した結果、活動電位持続時間の延長の程度に比例してVFの出現数が有意に増加することが判明した。新たな実験結果として、電位依存性のナトリウムチャネル阻害薬のリドカインが活動電位持続時間の島状延長を改善することでTdPの発生を抑制する事が判明した。さらに興味深いことに神経伝達に深く関与することが証明されているNav1.8の選択的遮断薬の有効性が証明された。上記の結果から論文を国際誌に投稿し現在査読中である。本来の最終目標である心内外膜同時マッピング用の最新型高速ビデオカメラを購入し、心室細動を維持する3次元スクロール描出に向けた実験を実施している。 最終的に解決すべき課題として、多電極カテーテルのみでスクロールフィラメントの存在領域予測を試み、「フィラメントのさまよい運動(投錨)領域遮断がVFを抑制、もしくは心室頻拍からVFへの移行を阻害する」という仮説を検証するために、新たな多電極・光学マッピングシステムを構築中であり刺激装置を購入し実験を実施している。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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