研究実績の概要 |
心腎連関から心不全に影響を与える腎不全で解析を行った。正常マウスに慢性腎不全モデルである片側尿管結紮モデルを作成したところ、腎臓でPN1-4のすべてのスプライシングバリアントが上昇することを確認した。また、ペリオスチンは腎臓の間質の線維芽細胞および尿細管上皮細胞で発現していた。そこで、ペリオスチンの4つのスプラシングバリアントをKOしたマウス(PNKO),ペリオスチンのエクソン17のみをKOしたマウス(PN17KO)およびコントロールマウスに対して片側尿管結紮モデルを作成した。マッソントリクローム染色で腎線維化を評価したとことPNKOおよびPN17KOマウスで著明に腎線維化が抑制されていたが両者に差はなかった。さらに、collagen I, a-SMA, TNF-a, IL-1bをreal timePCRで評価したとろ同様にPNKOマウスおよびPN17KOマウスで著明に抑制されていた。また、その機序を解明するためにTGF-b1, Snail, c-myc, CTFGを評価したとこ同様にPNKOマウスおよびPN17KOマウスで著明に抑制されていた。さらに、ペリオスチン抑制がwnt signal抑制につながることが報告されていることから、、b-cateninの核への移行を免疫染色にて評価したところ、やはりPNKOマウスおよびPN17KOマウスにて著明な抑制を確認した。このことから、ペリオスチンを抑制することは慢性腎不全モデルにおいて腎保護につながること、またペリオスチンのエクソン17を抑制することでTGF-b1やwnt signalを抑制によるメカニズムで腎保護作用を示すことが示唆された。一方、グリセロール刺激にて横紋筋融解症から急性腎不全モデルを作成したところ、やはり腎臓からPN1-4のすべてのスプライシングバリアントが分泌されることを確認した。
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