本研究では、これまでの我々の研究により明らかとなっていたANGPTL2抑制による心筋細胞のミトコンドリアエネルギー代謝促進の分子機構として、ANGPTL2抑制が心筋細胞におけるミトコンドリア呼吸鎖複合体IIを増加させ、呼吸機能を増進するとともに活性酸素種の産生を減少させることを明らかにした。さらに、新規同定したlncRNAであるCarenが、心筋細胞におけるミトコンドリア生合成の促進およびDNA損傷応答活性化の抑制により心保護作用をもたらすことを解明した。また、心不全病態では心筋細胞のCarenが減少すること、心筋細胞へのCaren発現補充が新規治療戦略として有効であることを示した。
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