研究課題
1/4の確率でFGF10Ex1/Ex3複合ヘテロとなることが予想される、FGF10Ex1-/+とFGF10Ex3-/+を交配させ胚盤胞胚盤胞に、野生型のGFP陽性ES細胞を移入させたのち、偽妊娠マウス子宮に移入し産仔を得た。得た産仔のうち、GFP陽性キメラマウスを継続して飼育した。キメラ率は50%前後であったが、30%は死亡していた。計33匹の生きたキメラマウスを得ることが 出来たが、離乳まで生存したのが、11匹に減じた。11匹の遺伝子解析を行ったところ、2匹がFGF10Ex1/Ex3複合ヘテロであることが判明した。2匹しか得られないため解析には不十分であるので、次出生直後に遺伝子解析および組織学的解析を行ったところ、キメラマウスの4分の1マウスは複合ヘテロマウスであり、かつ肺が認められた。次に胚移植を繰り返し、最終的に計5匹の複合ヘテロマウスで生育したマウスを得た。これらマウスの肺組織をおよび他組織お免疫蛍光法で2重染色を行い解析した。その結果、1型、2型肺上皮、気管上皮細胞、肺血管内皮細胞の90-70%がES細胞由来であることが判明した。肺間質細胞も同様にGFP院陰性細胞が混在していた。肺動脈内皮細胞はほぼ100%ES細胞由来であった。以上より、肺欠損マウスにおいて、胚盤胞補完法によ り、ES細胞由来の肺臓器作出が可能であることが示された。本研究は、2020年5月12日いCell reprotsで発表された。
2: おおむね順調に進展している
当初予定されていた研究は、異種間胚盤胞補完法の実験を残して終了し、結果はCell reprots誌上に発表されたため。
現在、コロナ感染症のため、動物実験が行うことが不可能な状態である。動物実験が再開されたら、複合ヘテロマウスの胚盤胞にラットES細胞を移入して、異種間キメラを作成を試みる。もし、異種間キメラマウスの作成および、肺臓器作出に成功した場合、その組織学的解析を行う。一方、異種間キメラ作成および肺作出が不成功な場合、組織学にその原因を探る。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Cell reprots
巻: 31 ページ: in press
https://doi.org/10.1016/j.celrep.2020.107626