研究課題
FGF10Ex1mt/wt卵子とFGF10Ex3mt/wt精子を人工授精させたあと、培養を継続し胚盤胞期に野生型マウスES細胞を移入した。その後に偽妊娠マウス子宮に移植して産仔を得た。出生直後に安楽死させて、解析した。GFP陽性の有無でキメラを判定した。下の表のように、121個胚盤胞を子宮に移植して、43匹(36%)の産仔を得た。43匹中20匹(47%)がキメラだった。20匹中、5匹が複合ヘテロマウスであり、メンデルの法則に従っていた。複合ヘテロキメラマウスにおいて、コントロールマウスと同様に正常が肺の発生が確認された。肺組織において、多くの細胞がGFP陽性であり、ES細胞由来であることが示唆された。複合ヘテロキメラマウス5匹全てにおいて、肺の発生が確認された。次に、成獣になったFgf10Ex1mut/Ex3mut複合ヘテロキメラマウスにおける肺の解析をおこなった。得られた産仔153匹中96匹が生きており、96匹中76匹がGFP陽性のキメラマスであった。しかしながら、キメラマウス76匹中、成獣まで生き残ったのは17匹に過ぎなかった。この17匹中、5匹が複合ヘテロマウスのキメラであった。次に肺を摘出して、解析を行った。5匹全て、肺は正常に発達していた。肺上皮マーカーで調べた結果、80%以上がGFP陽性のES細胞由来であった。間葉系細胞においては約50%がGFP陽性ES細胞由来であった。特徴的なのは、血管内皮細胞は全てGFP陽性のES細胞由来であった。これらの研究成果はCell Rep. (2020 ;31:107626)に発表した。またFGF10遺伝子変異複合ヘテロマウスにラットES細胞を移入したキメラマスを作出した。キメラ率は低いが、肺の発生が確認され、ラットES細胞により、肺発生が回復することが明らかとなった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell Rep.
巻: 31 ページ: 107626
10.1016/j.celrep.2020.107626.