研究課題/領域番号 |
18H02820
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
萩原 弘一 自治医科大学, 医学部, 教授 (00240705)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 薬剤性肺障害 / 日本人 / MUC4 |
研究実績の概要 |
分子生物学的反応系を工夫し,MUC4反復配列を次世代シークエンサーMiSeqにのせるための反応系を確立した.得られた塩基配列データは高次の反復配列構造を取っているため,専用のアセンブルプログラムを開発し,アセンブルが可能になった. 日本人200例の制限酵素断片長多型のうち,4種の発現ベクターをBAC中に作成した.これをpUC系plasmidに移し,大量精製を可能にした.ERRB2,ERBB3のstable transfectantを作成した.これをCOS7に導入し、800kDaの巨大タンパクだが,発現することを確認した。 MUC4全長塩基配列が決定可能になったため,このシステムで各DNAを解析して行けば,1)MUC4反復配列中の3塩基挿入配列認識システムの完成.2)各民族DNAのスクリーニング.3)日本人各肺障害DNAでの3塩基挿入のスクリーニング,が自動的に達成されることになる.一回のMiSeqランで20サンプル程度が決定可能なため,今後はスクリーニングが順調に進むと考えられる. EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者におけるMUC4遺伝子多型とEGFR-TKIによる肺障害発症との相関性を検証するためのコホート内ケースコントロールスタディ - NEJ022A - UMIN ID:UMIN000015612の症例集積を終了した.EGFR遺伝子変異陽性でEGFR阻害薬による治療を計画している症例の末梢血を,薬剤投与前に採取.薬剤投与後に症例を観察し,肺障害を発症した患者を中央判定,一名の発症者に対し,10名の非発症者をコホートから無作為に選択する.平成30年度までに432例が登録され,11名が肺障害を発症.この時点で登録終了とした.この11名がケースとなる.非発症者から無作為に選択した88名をコントロールとした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者におけるMUC4遺伝子多型とEGFR-TKIによる肺障害発症との相関性を検証するためのコホート内ケースコントロールスタディ - NEJ022A - UMIN ID:UMIN000015612の症例集積を終了した.開発したMUC4反復配列解析システムを用い,解析を開始しているため.
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今後の研究の推進方策 |
EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者におけるMUC4遺伝子多型とEGFR-TKIによる肺障害発症との相関性を検証するためのコホート内ケースコントロールスタディ - NEJ022A - UMIN ID:UMIN000015612のMUC4反復配列の解析を継続し,MUC4の薬剤性肺障害責任配列同定を行う.
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