今後、今回誘導に成功した誘導細胞の遺伝子発現プロファイルを検討することで、2型肺胞上皮細胞により近似した細胞であるかを確認する。直接リプログラミングにより、ヒトで誘導2型肺胞上皮細胞誘導に成功したことが確認できれば、iPS細胞から誘導する方法に比べて、短期間かつ腫瘍形成性の可能性が低い新規の誘導方法として重要な意義がある。具体的には、難治性呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患等)に対する誘導細胞による細胞治療、誘導細胞を用いた新規薬剤の毒性スクリーニング試験、疾患特異的な誘導細胞を用いた疾患病態機序の解明等のiPS細胞が現在担っている役割の少なくとも一部を担うことが可能となる。
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