皮膚筋炎の特異抗体の対応抗原であるtranscriptional intermediary factor 1 γ(TIF1γ)、Mi-2、melanoma differentiation-associated gene 5 (MDA5) のリコンビナント蛋白を作製し、マウスに完全Freundアジュバントおよび百日咳トキシンとともに繰り返し免疫し、筋炎の発症を検討するモデルを用いて、研究を行った。抗体または抗原特異的T細胞の移入する系では、抗体では病変は出現せず、一方、抗原特異的T細胞の移入によって病変が出現した。さらに、CD4陽性T細胞またはCD8陽性T細胞の移入では、CD8陽性T細胞の移入により病変が出現した。一方、B細胞欠損マウスB細胞表面分子の発現改変マウスに免疫したところ、B細胞欠損マウスでは野生型と有意な差は認められなかったが、野生型とは異なる重症度が観察されたため、B細胞特異的分子の筋炎病態における関与のメカニズムも存在することが示唆された。MDA5のリコンビナント蛋白を移入する系では間質性肺炎を発症させる実験系も検討し、類似した結果が得られた。
|