研究課題
以下の3つのプロジェクト、「常染色体劣性先天性魚鱗癬患者を対象とする病因解明とデータバンク、バイオバンク作成プロジェクト」、「常染色体劣性先天性魚鱗癬の病態解明プロジェクト」、「常染色体劣性先天性魚鱗癬の新規病因治療薬開発プロジェクト」を、本研究計画では行って来ている。今年度においては、主に併行して、「常染色体劣性先天性魚鱗癬患者を対象とする病因解明とデータバンク、バイオバンク作成プロジェクト」と「常染色体劣性先天性魚鱗癬の病態解明プロジェクト」とを施行した。また、「常染色体劣性先天性魚鱗癬の新規病因治療薬開発プロジェクト」についても、一部分、行った。具体的な今年度の研究実績の概要を以下に示す。1)常染色体劣性先天性魚鱗癬患者を対象とする病因解明とデータバンク、バイオバンク作成プロジェクト:全国的な常染色体劣性先天性魚鱗癬患者の集積と脂質関連病因遺伝子の同定を行い、多数の常染色体劣性先天性魚鱗癬患者臨床情報と病因の遺伝情報(主に脂質関連遺伝子の病因遺伝子変異)を患者レジストリへ登録、データバンクを作成した。集積した常染色体劣性先天性魚鱗癬患者からのDNA、RNA、皮膚組織等の生体試料のバイオバンクも作成した。2)常染色体劣性先天性魚鱗癬の病態解明プロジェクト:実際の常染色体劣性先天性魚鱗癬患者の病因遺伝子変異をCRISPR-Cas9によるゲノム編集技術を用いてノックインした真の疾患モデル細胞、モデルマウスの作成を試みた。3)常染色体劣性先天性魚鱗癬の新規病因治療薬開発プロジェクト:上記の真の常染色体劣性先天性魚鱗癬モデル細胞を用いて、化合物ライブラリーをスクリーニング試みた。さらに、既存薬ライブラリーについてもドラッグ・リポジショニングを目指してスクリーニングを試み、化合物や既存薬の臨床応用の可能性の評価を目指した。
3: やや遅れている
2019年8月、多種遺伝子の病因遺伝子変異をノックインした真の疾患モデルマウスの皮膚角化障害の評価をする過程で、当初の予想に反し、皮膚角化障害の評価、表皮脂質分析について、予定していた評価法、分析法では不十分、不適切なことが判明した。研究遂行上、最適な評価法、分析法について改めて検討することが不可欠なため、事前調査を延長して実施する必要が生じた。
来年度以降も、引き続き、以下の3つのプロジェクト、「常染色体劣性先天性魚鱗癬患者を対象とする病因解明とデータバンク、バイオバンク作成プロジェクト」、「常染色体劣性先天性魚鱗癬の病態解明プロジェクト」、「常染色体劣性先天性魚鱗癬の新規病因治療薬開発プロジェクト」を、並行して進める。具体的な研究の推進方策を以下に示す。1)常染色体劣性先天性魚鱗癬患者を対象とする病因解明とデータバンク、バイオバンク作成プロジェクト:引き続き、全国的な常染色体劣性先天性魚鱗癬患者の集積と脂質関連病因遺伝子の同定を行い、多数の常染色体劣性先天性魚鱗癬患者臨床情報と病因の遺伝情報(主に脂質関連遺伝子の病因遺伝子変異)を患者レジストリへ登録、データバンクを作る。今年度に引き続き、集積した常染色体劣性先天性魚鱗癬患者からのDNA、RNA、皮膚組織等の生体試料のバイオバンクを作成する。2)常染色体劣性先天性魚鱗癬の病態解明プロジェクト:実際の常染色体劣性先天性魚鱗癬患者の病因遺伝子変異をCRISPR-Cas9によるゲノム編集技術を用いてノックインした真の疾患モデルマウスを用いて、皮膚の角化障害の評価と表皮脂質分析を、引き続き、施行する。3)常染色体劣性先天性魚鱗癬の新規病因治療薬開発プロジェクト:今年度までに作成を試みた、真の常染色体劣性先天性魚鱗癬モデル細胞に対して、引き続き、化合物ライブラリーをスクリーニングを施行し、魚鱗癬治療薬候補の選定を目指す。さらに、既存薬ライブラリーについてもドラッグ・リポジショニングを目指してスクリーニングを進め、臨床応用の可能性を模索する。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
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