研究課題/領域番号 |
18H02845
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
田久保 圭誉 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 生体恒常性プロジェクト長 (50502788)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 造血幹細胞 / 幹細胞ニッチ / 骨髄 / in vivoイメージング / メタボロミクス |
研究実績の概要 |
これまで造血幹細胞を制御するニッチ因子の研究が数多くなされてきた。その結果、種々のサイトカイン等のタンパク質や酸素分圧が、造血幹細胞の機能や数を制御する重要なニッチ因子であることが明らかとなった。ニッチ因子は造血幹細胞内の代謝物の構成を変化する代謝プログラムを起動して、造血幹細胞の「幹細胞性」―細胞周期の静止期性や自己複製能、多分化能など―を制御していることが研究代表者らの研究によって知られるようになっている。しかしながら、ニッチの細胞外における代謝物の構成や分布と、造血幹細胞をはじめとする血液細胞へと及ぼす影響はいまだ不明である。本研究では、マウス骨髄の代謝物の構成と分布を明らかにし、造血幹細胞ニッチ因子としての機能と作動機構の解明を目的とする。
第二年度は、前年度までの骨髄内部の代謝物構成と、ライフコースの中の各時期や各種の病態における変容の実験検討の実施を開始した。また、骨髄の各種イメージング技法を用いて骨髄内の代謝物の分布を時空間的に明らかにするための検討を時空間的に行った。さらに、同定された骨髄に豊富な代謝物の造血幹細胞への作用を検討するため、種々の代謝物を造血幹細胞培養に添加・除去して、代謝物が幹細胞維持に及ぼす影響の検討を開始しており、基本的なサイトカインなどの培地が含有する成分や酸素分圧などの培養条件を様々に変化させたうえで、フローサイトメーター等で解析して造血幹細胞やそれに由来する分化細胞に及ぼす影響の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第二年度もほぼ予定通りに実験を実施することができ、技術的な問題も特段生じなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は各種の状況や時期の骨髄の代謝物プロファイリングを継続しながら、候補代謝物そのものあるいはそれが駆動するシグナルの意義の実験検討を継続的に実施して、目的達成のために着実に研究を進める。
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