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2019 年度 実績報告書

免疫細胞におけるsplicing QTLを介した自己免疫疾患病因メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18H02849
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

高地 雄太  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60415156)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードsQTL / long-read RNA-seq / GWAS / 自己免疫疾患
研究実績の概要

ゲノムワイド関連解析(genome wide association study: GWAS)によって、これまで100を超える自己免疫疾患の候補遺伝子領域が同定されてきたが、その病因メカニズムは未解明な部分が多い。重要なメカニズムの一つとして遺伝子多型が選択的スプライシングに影響を与える、splicing QTL(sQTL)が考えられているが、その全容については明らかではない。本研究では、①long read sequencerを用いて、ヒト免疫細胞の各サブセットにおけるisoformの網羅的なプロファイルを作成し、②このプロファイルを用いて、より精度の高いsQTL解析を行うことで、ヒト免疫細胞のsQTLカタログを作成し、③このsQTLカタログと各種自己免疫疾患のGWASデータと統合解析することによって、自己免疫疾患の病態解析を行うこと、を目的とする。本年度は、末梢血の免疫細胞28サブセット由来のRNAを用いてcDNAライブラリーを作成し、MinIONシークエンサーを用いたlong-read RNA-seqを行った。各サブセットで3~10Gbp程度のシークエンスデータを得られたが、一部のサンプルではデータ量が1Gbpに満たないため、追加のシークエンスを予定している。すでに得られたデータを用いて、FLAIRなどの解析ツールを用いてゲノムにマッピングし、アイソフォームカタログの作成行った。その結果、既存のGENCODEに登録されていない新規アイソフォームが数多く同定された。また、既存のデータを用いたsQTLの再解析を行い、新規アイソフォームの一部が疾患と関連することを明らかにした。追加取得予定のデータを用いて、アイソフォームカタログの最終版を確定する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Nanoporeフローセルのバージョンアップとともに、そのテストを行うのに時間を要したため。また、当初の予定よりも得られたシークエンスデータが少なかったため、追加のシークエンスを行う必要が生じたため。

今後の研究の推進方策

今後は、以下の方法で,sQTLカタログを作成する。
1) データ量が十分でないサブセットについては追加のデータ取得を行う。
2) Isoformプロファイルの作成:GENCODEに登録されているisoform情報をベースに、新規のisoformを同定する。
3) sQTLカタログの作成:既存のeQTLデータを,本研究で整備した各サブセットのisoformプロファイルをもとに再解析して,sQTL解析を行う。さらに 既存のGWASデータとsQTLカタログデータを統合解析する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Identification of rare coding variants in TYK2 protective for rheumatoid arthritis in the Japanese population and their effects on cytokine signalling2019

    • 著者名/発表者名
      Motegi Tomoki、Kochi Yuta、Matsuda Koichi、Kubo Michiaki、Yamamoto Kazuhiko、Momozawa Yukihide
    • 雑誌名

      Annals of the Rheumatic Diseases

      巻: 78 ページ: 1062~1069

    • DOI

      10.1136/annrheumdis-2019-215062

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Amino acid signatures of HLA Class-I and II molecules are strongly associated with SLE susceptibility and autoantibody production in Eastern Asians2019

    • 著者名/発表者名
      Molineros Julio E.、Looger Loren L.、Kim Kwangwoo、Okada Yukinori、Terao Chikashi、Sun Celi、Zhou Xu-jie、Raj Prithvi、Kochi Yuta、et al
    • 雑誌名

      PLOS Genetics

      巻: 15 ページ: e1008092

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1008092

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PLD4 is a genetic determinant to systemic lupus erythematosus and involved in murine autoimmune phenotypes2019

    • 著者名/発表者名
      Akizuki Shuji、Ishigaki Kazuyoshi、Kochi Yuta、Law Sze-Ming、Matsuo Keitaro、Ohmura Koichiro、Suzuki Akari、Nakayama Manabu、Iizuka Yusuke、Koseki Haruhiko、Ohara Osamu、Hirata Jun、Kamatani Yoichiro、Matsuda Fumihiko、Sumida Takayuki、Yamamoto Kazuhiko、Okada Yukinori、Mimori Tsuneyo、Terao Chikashi
    • 雑誌名

      Annals of the Rheumatic Diseases

      巻: 78 ページ: 509~518

    • DOI

      10.1136/annrheumdis-2018-214116

    • 査読あり
  • [学会発表] What can we learn from eQTL studies in disease genetics?2019

    • 著者名/発表者名
      Yuta Kochi
    • 学会等名
      The 4th Symposium of the Inter-University Research Network for Trans-Omics Medicine
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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