研究課題
研究の目的)ウイルス糖尿病感受性遺伝子をマウスとヒトで検討することにより、その意義を明らかにする。その成果を基盤として、将来、糖尿病の原因ウイルスを科学的根拠を持って高感度に同定しワクチン開発へ繋げる。研究成果)マウスにおける未知の感受性遺伝子を有することが想定されるDBA/2マウスを用いて感染後の膵島細胞のゲノムワイド研究を施行した。すなわち、感染後の膵島細胞における遺伝子の発現レベルを、抵抗性系統であるC57BL/6(B6)マウスと、感受性系統DBA/2マウスの膵島細胞で比較検討し、さらに、ノミネートされた遺伝子群のネットワーク解析を行うことにより、ハブとなる遺伝子を探索した。その結果、インターフェロン受容体以下のシグナル分子Stat2が責任遺伝子であることを特定し、論文発表することができた。(BBRC 2000)ヒトの2型糖尿病患者におけるTYK2遺伝子多型(TYK2 promoter variant :TYK2PV)の意義を、肥満度、インスリン抵抗性、分泌能と関連があるかどうかを検討した。その結果、TYKPVを有する2型糖尿病患者は、非肥満であり、インスリン抵抗性が低く、かつ、インスリン分泌能が低下していることが明らかにすることができ、論文発表を行った。(Genes 2021)将来展望)今後、このような感受性遺伝子研究の成果を基盤として、高感度に糖尿病を誘発するウイルスを同定するシステム開発に取り組んでいる。すでに糖尿病誘発性候補ウイルスCoxsackie B群ウイルス16株について、増殖、プラック形成による感染価の測定を完了し、保管している。同時にヒトのウイルスが効率よく感染するように膵島細胞特異的にそウイルス受容体を発現するトランスジェニックマウスの作成にも成功した。今後、この系を活用して糖尿病原因ウイルスを同定する準備が整っている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Genes
巻: 12 ページ: 400
10.3390/genes12030400.
Biochem Biophys Res Commun 521:853-860
巻: 521 ページ: 853-860
10.1016/j.bbrc.2019.10.193
Microorganisms
巻: 8 ページ: e1133
10.3390/microorganisms8081133