研究課題
前年度までに作出に成功したネッタイシマカ由来新規培養細胞系AeAe-GH98について、各種蚊媒介性フラビウイルス(デングウイルス、黄熱ウイルス、ジカウイルス)に対し異なる感受性を示す遺伝的な背景を調べる目的で、これらフラビウイルス感染に際して応答する遺伝子をトランスクリプトーム解析で調査し、特徴的な発現動態を示す候補遺伝子を複数見出した。蚊媒介性アルファウイルスの一種であるゲタウイルスについて、各種蚊由来培養細胞系を用いてその感受性を検討した結果、培養細胞の由来する蚊の属によって異なる感受性と細胞障害性を示す結果が得られ、宿主特異性との関連が示唆された。既存のマダニ由来培養細胞には複数のウイルスが潜在的に感染していることが判明したため、薬剤による除去を試みている。前年度までにコガタアカイエカ由来NIID-CTR細胞のゲノム配列を取得しているが、正確な遺伝子予測を行うために、島根県由来のコガタアカイエカ飼育系統の昆虫個体を用いてRNA-seq解析を行った。また、同島根県由来のコガタアカイエカのオス個体について全ゲノムシーケンシングおよびde novo assemblyを行った。この配列をもとに培養細胞と個体との間で比較ゲノム解析を行い、細胞不死化ともなうゲノム上の変化を明らかにできると期待される。Vero細胞において、日本脳炎ウイルス(JEV)rAT株の持続感染細胞株を樹立した。また、シンドビスウイルス(SINV)とJEVの共持続感染細胞も樹立できた。これら細胞株は1年間以上にわたり、持続感染を維持できることも確認した。SINV単独の持続感染細胞は樹立できなかった。非感染・JEV一過性感染・持続感染細胞(2種)間での遺伝子発現パターンを比較し,各感染形態に特徴的な遺伝子発現変化の情報を得て、変化の見られた遺伝子についてウイルス増殖・持続性獲得に対する影響を解析している。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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