研究課題
本研究は、ペプチド型、ステロイド型、アミノ酸誘導体型に次ぐ第4の内分泌因子の存在とその生理機能について明らかにすることを目的として実施した。とくにRNA由来の修飾ヌクレオシドは新規の内分泌因子ではないかとの仮説を検証することを目的として実施した。令和2年度は、これまでに作成した修飾ヌクレオシドの受容体として同定したオーファンGPCR欠損マウスの表現系解析を実施した具体的には、オーファンGPCR欠損マウスを代謝ゲージ内で飼育し、全身の代謝について検討した。同マウスでは、摂食量、尿量、体重は野生型マウスと比較して同等であった。次にミトコンドリア障害を引き起こす薬剤であるMPTPをオーファンGPCR欠損マウスおよび野生型マウスに投与し、血液中への修飾ヌクレオシド分泌量、各組織および全身の代謝変動について、両マウス群間で比較検討した。オーファンGPCR欠損マウスでは、血液中の各修飾ヌクレオシド量は野生型マウスと同等であったが、肝臓におけるコンプレックス活性が野生型マウスと比較して有意に低下していた。またATP合成量も低下していた。この現象は骨格筋においても認められた。さらに、オーファンGPCR欠損マウス骨格筋のミトコンドリア形態について電子顕微鏡で観察したところ、ミトコンドリアの膨張やクレステ構造の崩壊が認められた。さらにオーファンGPCR欠損Hela細胞を作製し、ミトコンドリア機能について検討したところ、コンプレックス1、Ⅳの活性が野生型Hela細胞と比較して有意に低下していた。また同欠損細胞では、細胞の増殖が野生型細胞と比較して有意に遅かった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)
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