研究課題
本年度は31年度に引き続き、健常な肝機能を付与するために(1)「健常な肝細胞を外部から供給する方法」と(2)「疲弊した肝細胞を活性化する方法」について検討した。(1)健常な肝細胞を外部から供給する方法を確立するために、移植細胞の生着と肝細胞の置換を効率よく行うために必要と考えられる肝細胞間に形成される毛細胆管と胆管上皮細胞が形成する小胆管の接続した肝胆管オルガノイドの作成法を確立した。初代マウス成熟肝細胞分画よりも小型肝細胞を主とする分画を培養した方が、胆管との接続部であるヘリング管の形成効率が高く、ヘリング管形成により胆汁が胆管に流れ胆管内に蓄積すると肝細胞の薬物代謝機能を含む高度な分化機能が1ヶ月以上維持されることが分かった。ヒト肝細胞由来のCliP細胞とマウス胆管上皮細胞との共培養でもヘリング管は形成出来、胆汁が胆管内に輸送されることも判った。本研究成果は、現在投稿中である。(2)肝不全状態に陥った肝機能を改善する方法として内在性肝前駆細胞(SHPCs)の活性化方法を検討した。ラット骨髄由来間葉系細胞(BM-MCs)の分泌する細胞外分泌顆粒(EVs)が含有するmiRNAsの中のmiR146a-5pに肝前駆細胞の増殖促進作用があることが判った。miR146a-5pをレンチウイルスベクターに組み込み、培養したBM-MCsに投与しmiR146a-5p発現を増幅させ、分泌するEVsを回収し、Ret/PHモデルラット肝臓に投与するとSHPCsの増殖を促進した。またEVs中にはサイトカインのSCF及びIL6も含まれSHPCsの増殖を促進するが、miR146a-5pとの相乗・相加効果は無かった。本研究成果は論文にまとめ、現在投稿中である。現在、肝機能の低下した肝硬変モデルラットを作成し、SHPCs増殖促進活性を有するEVsを投与し、肝機能が改善するかどうか検討を行っている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 1件) 備考 (3件)
Seminars in Fetal and Neonatal Medicine
巻: 印刷中 ページ: 101229~101229
10.1016/j.siny.2021.101229
Journal of Biomechanical Science and Engineering
巻: 印刷中 ページ: -
10.1299/jbse.20-00537
World Journal of Meta-Analysis
巻: 9 ページ: 88~100
10.13105/wjma.v9.i1.88
Aging
巻: 12 ページ: 18907~18927
10.18632/aging.103973
The FASEB Journal
巻: 34 ページ: 6729~6740
10.1096/fj.201902794R
Biofabrication
巻: 12 ページ: 045008~045008
10.1088/1758-5090/ab9316
Methods in Molecular Biology
巻: 2206 ページ: 57~66
10.1007/978-1-0716-0916-3_6
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 524 ページ: 465~471
10.1016/j.bbrc.2020.01.104
Human Immunology
巻: 81 ページ: 342~353
10.1016/j.humimm.2020.04.007
Transplantation Proceedings
巻: 52 ページ: 1880~1883
10.1016/j.transproceed.2020.01.169
https://www.smu-tisdevreg.jp
https://www.ps.toyaku.ac.jp/byotaiseika/
http://www.sudo.sd.keio.ac.jp/