研究課題/領域番号 |
18H02875
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
八木 洋 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20327547)
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研究分担者 |
松本 一宏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80366153)
足達 俊吾 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90783803)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 糸球体 / 大動物 / 腎臓再生 / 細胞外マトリックス / 脱細胞化 |
研究実績の概要 |
本研究は生体由来の細胞外マトリックスで構成された三次元骨格の有用性を示すために、脱細胞化処理によって作製した臓器の骨格を、部分切除術後の断面に合わせて縫合接着することで、骨格内部に細胞が浸潤・生着し欠損部分の組織再生を促す効果と、そのメカニズムを明らかにすることが目的である。本研究では腎臓再生をターゲットとして、疾患ラット・ブタモデルを用いて臨床病理学的検討を行うと共に、脱細胞化後の残存タンパクの網羅的解析を実施して有効性の根拠を明らかにし、本来は体内で自己再生しない腎臓が、生体由来の三次元細胞外マトリックス骨格の補助によって、血液循環と尿の産生を伴う機能的組織として再生するかを示し、脱細胞化によって作製された腎臓骨格が、新しい再生医療素材として機能し得るかを検証した。検証は、ブタへの縫合接着28日目まで観察を行い、摘出腎臓の再生状態を、免疫染色、遺伝子解析、タンパク発現、CTによる尿産生の有無、ダイナミックCTでの血流の有無によって、評価した。その結果、骨格内部の再生腎臓部分には幼若糸球体から連続して再生したような糸球体構造が散見され、尿細管との連続性も認められた。また一部にCTで尿の産生が造影され、血流についても再生部分に流入するCT値が観察された。遺伝子解析上は、再生腎臓部分で、細胞外マトリックス関連、成長因子関連などの発現が更新していることが示され、これらを総合して、この腎臓脱細胞化骨格が腎臓部分切除後の腎臓再生を促す効果を持つことが証明された。本結果は論文化し現在投稿中である。この結果は、細胞を用いない新しい臓器再生医療の実現化のための基盤技術として非常に重要であり、今後生体材料医療機器として開発を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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備考 |
MatriSurge(株)は、本基盤研究の結果を元に、AMEDの先端計測医療機器に採択され、ゲル材に加工して腎臓再生医療用に開発した製剤で企業したものです。
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