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2018 年度 実績報告書

膵星細胞活性化におけるオートファジーを標的としたHIT化合物の同定とその評価

研究課題

研究課題/領域番号 18H02880
研究機関九州大学

研究代表者

仲田 興平  九州大学, 大学病院, 助教 (30419569)

研究分担者 進藤 幸治  九州大学, 大学病院, 助教 (00788432)
大内田 研宙  九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
宮坂 義浩  九州大学, 大学病院, 助教 (40507795)
森 泰寿  九州大学, 大学病院, 助教 (50632642)
貞苅 良彦  九州大学, 大学病院, 助教 (80784503)
池永 直樹  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90759755)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード膵癌 / オートファジー / 癌間質相互作用
研究実績の概要

膵癌の5年生存率は10%と極めて低く、その治療法開発は社会的緊急性、重要性が高い。膵癌組織の間質に存在する繊維芽細胞である膵星細胞(PSC)は活性化することにより膵癌細胞との癌間質相互作用を介して癌細胞の増殖、転移、浸潤を促すことを以前より報告してきた。本研究では複数のスクリーニング系を用いてPSC活性化抑制を誘導するHIT化合物のスクリーニングを行い、PSC抑制剤およびオートファジー抑制剤の探索を行う。
本年度は、当科で手術を行った膵癌患者より得られる切除標本を用いて、 ヒト由来PSCを20株以上作成した。作成された細胞は、PSCの特徴とされるMyofibroblast様の形態を呈し、α-SMA, CD90が陽性であることを確認している。また、PSCにhTERT, SV40 LargeTを導入し、不死化PSCの(imPSCs)の作成にも成功した。このimPSCを用いて活性状態の評価が可能なスクリーニング系を作成した。PSC 活性化の抑制は脂肪滴の発現で表現される。活性化 PSC に対してオートファジー抑制剤であるクロロキンを添加すると脂肪滴が明瞭に発現(=PSCの休眠化)することを示した。また脂肪滴が発現した際には実際にコラーゲン、FN 発現が抑制され、PSC の機能が低下していることも確認している。これらの結果から、脂肪滴の発現は PSC 活性化抑制の指標として有用である事がわかる。申請者は脂肪滴発現をイメージングシステム in cell analyzer 2000 を利用し、細胞あたりの蛍光強度を数値化し、蛍光強度を指標とした化合物スクリーニング系を作成した。今後は、このスクリーニング系を用いて化合物スクリーニングを行い、候補化合物の絞りこみを行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はこの研究の基盤となるPSCの樹立とスクリーニング系の作成を行った。PSCは継代を繰り返すことにより劣化し増殖能が低下する問題があり、長期観察が必要となる in vivoやスクリーニングでの使用には問題があったが、PSCにhTERT, SV40 LargeTを導入することで、長期観察に適した不死化PSCの(imPSCs)の作成に成功した。またスクリーニング系の精度や再現性についても十分であることを確認しており、本研究は概ね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

本年度作成したスクリーニング系を用いて、東京大学創薬オープンイノベーションセンターが保有する化合物ライブラリーを利用し、PSC 活性化を抑制する新薬シーズの発見を行う。その中から得られた候補化合物に関して、スクリーニング通りにPSCの活性化が抑制されるかを評価する。具体的には電子顕微鏡や脂肪染色を用いた脂肪滴の発現確認、Western blot、蛍光免疫染色によるα-SMA、コラーゲン、FN発現の低下等を確認する。さらには候補化合物がPSCおよび膵癌の浸潤、転移に与える影響を in vitro, in vivo実験で評価する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Adipose tissue-derived stromal cells are sources of cancer-associated fibroblasts and enhance tumor progression by dense collagen matrix2018

    • 著者名/発表者名
      Okumura T, Ohuchida K, Kibe S, Iwamoto C, Ando Y, Takesue S, Nakayama H, Abe T, Endo S, Koikawa K, Sada M, Horioka K, Mochidome N, Arita M, Moriyama T, Nakata K, Miyasaka Y, Ohtsuka T, Mizumoto K, Oda Y, Hashizume M, Nakamura M
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer

      巻: 144 ページ: 1401~1413

    • DOI

      10.1002/ijc.31775

    • 査読あり
  • [学会発表] Endo180 Expression and Histologic Categorization in Cancer Stroma is an Independent Prognostic Index in Pancreatic Cancer.2018

    • 著者名/発表者名
      Koikawa K, Ohuchida K, Yonenaga A, Sagara A, Ando Y, Kibe S, Takesue S,Nakayama H, Iwamoto C, Shindo K, Moriyama T, Nakata K, Miyasaka Y, Ohtsuka T, Mizumoto K, Nakamura M
    • 学会等名
      49th Annual Meeting of the APA
    • 国際学会
  • [学会発表] オートファジー抑制は、サリノマイシンによる膵癌細胞増殖抑制効果を増強する2018

    • 著者名/発表者名
      相良亜希子、仲田興平、遠藤翔、米永晃子、安藤陽平、岐部晋、中山宏道、武居晋、進藤幸治、森山大樹、宮坂義浩、大内田研宙、大塚隆生、水元一博、中村雅史
    • 学会等名
      第49回日本膵臓学会大会

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公開日: 2019-12-27  

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