研究課題/領域番号 |
18H02886
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保科 克行 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (90571761)
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研究分担者 |
大島 まり 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40242127)
山本 創太 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (80293653)
高山 利夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80802694)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Drug delivery system / 大動脈瘤 / ナノ粒子 / simulation |
研究実績の概要 |
ラット大動脈瘤モデルを用い、ナノミセルによるDrug Delivery systemの構築を試みた。瘤の径は安定して作成できた。下記の1)~7)が示された。 1)酸性条件下で内包されている薬剤であるピタバスタチンを放出することができるために、フェニルボロン酸を使用した高分子ミセルの合成を行った。ミセルは平滑筋細胞の細胞質内に取り込まれ、リソソーム との共局在が確認された。 2)細胞毒性は通常のピタバスタチンに比べて約30倍低かったことが示された。 3)本モデルにおいて、ピタバスタチン内包ミセル投与は容量依存的に瘤径拡大抑制効果を認めた。 4)両群の血液生化学的値に差異はなく、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、筋肉の組織像においても明らかな異常は認めなかった。 5)組織的検索では、HE染色で大動脈壁への炎症細胞の集束がミセル群では有意に低かった。またEVG染色でミセル群では弾性板が保持されていた傾向があった。αSMA免疫染色で大動脈中膜内のαSMA陽性細胞がミセル群で有意に多く存在していた。CD68免疫染色ではCD68陽性マクロファージの大動脈壁への集積がすべての群で認められたが、ミセル群ではCD68陽性細胞の集積が少なかった。 6)Zymographyで、Pro MMP-9活性は5mg/kgのミセル群で有意に抑制されており、MMP-2活性はコントロール群との差異は認めなかった。 7)ミセルの瘤への経時的な集積の増大が認められたが、多くは肝臓、脾臓および腎臓への取り込まれ、胆汁排泄性と考えられた。この臓器へのトラップをみると、ステルス性は低いと考えられた。 同時に大動脈血流のシミュレーションを行い、ナノミセルが瘤内でどのような挙動を示すかについて検討したところ、その濃度勾配を可視化することができた。ただ、ミセルの壁での作用についてはミクロレベルでの検討をはじめたところである。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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