研究課題
本研究では、これまで主にパラクライン効果による優れた治療効果が動物実験において示されている、「ヒトiPS細胞由来心血管系細胞多層体」による治療効果をさらに高め、長期的な治療効果を得るために、ホスト-グラフト間の機能的(電気的・機械的)同期を評価するシステムを、in vitroの評価系を用いて作製し、効率的かつ安全な機能的同期法を開発することを目的とする。昨年度までにGCaMPグラフト移植におけるラット心臓への同期評価法の確立に関する研究開発を行った結果、ホスト心臓の拍動に応じてiPS細胞由来心筋シートが収縮する傾向を認めたが、同時に心筋シート自身の電気伝導速度はホスト心臓に比べて非常に遅いことを見出し、その原因としてiPS細胞由来心筋細胞のイオンチャネルを含む電気生理学的未成熟性を定量PCR等により見出した(内向き整流カリウム電流を担うIK1チャネルをコードするKCNJ2遺伝子の低発現など)。この点を解決するため、既報に従い(Nature, 2018)、iPS細胞由来心筋細胞および血管構成細胞の三次元化および電気刺激を含む物理学的トレーニングを行い、電気生理学的成熟が一定程度得られることを確認した。本年度は機能的同期をさらに得るため、この成熟化三次元構造に対する物理的トレーニングに関する条件検討をさらに進め、各種イオンチャネルおよび成熟型サルコメア構成蛋白の発現上昇をもたらす刺激条件を同定することに成功した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 1件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件)
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