研究課題
肺腺癌では様々なdriver変異が同定され分子標的治療の開発が進んでいるが、その一方で多くの症例でactionable変異が検出されないか、検出されても癌組織の時間的空間的不均一性を基盤に耐性が獲得される。これらの課題を克服し得る診断・治療標的分子異常として、申請者らは肺腺癌の早期から高頻度に癌特異的高メチル化を示すfounder epi-driver型癌抑制遺伝子 TRIM58の同定に成功した。本研究では、新たな肺腺癌のエピゲノム予防・診断・治療法の構築を目的に、①癌化予測可能な複数のepimarkerを血漿で検出する低侵襲での早期・再発診断や治療効果予測アルゴリズムの開発、②体系的な新規epi-driver遺伝子の同定と発癌機構の解明、③epi-driver関連パスウェイの標的化合物in silicoスクリーニングやエピゲノム編集技術を応用した予防・治療法の開発に取り組み、本年度は以下の成果を得た。1)前年度に同定された、癌化早期から癌部特異的メチル化により発現が消失しその発現回復が癌抑制に働き得る複数のepi-driver遺伝子を対象に、モデル細胞株ごとに一定の発現回復が得られるよう発現系を最適化したうえで複数のクローンを確立した。2)発現回復細胞株の表現型解析から、コントロールに比べて細胞増殖能や浸潤能の抑制が認められた複数クローンを選択し、トランスクリプトーム解析を行うことで表現型獲得と関連すると考えられる標的パスウェイを同定した。3)公共のトランスクリプトームデータの検索により、癌細胞株に対し類似のパスウェイへの影響を示す薬剤のスクリーニングを行い候補薬剤を絞り込んだ。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
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