今後の研究の推進方策 |
高齢ラット全身麻酔モデルにおけるミクログリアの活性化とin vivo PETイメージング解析を行う。方法として、若年2-4ヵ月齢および高齢24-25ヵ月齢SD系雄性ラットを用いる。全身麻酔モデルとして, イソフルランを2時間吸入させる。対照群は酸素のみ吸入させる。認知機能は, 1, 3, 7, 14日後に新奇物体認識試験および恐怖条件づけ試験を用いて評価する。脳内神経炎症は, 全身麻酔14日後認知試験後に脳の各部位(これまでは海馬が注目されてきたが前頭前野, 扁桃体なども関与する可能性がある)を摘出し, 炎症性サイトカインのmRNA発現量をRT-PCR法で, 蛋白量をELISA法で評価する。PET試験は術前・術後1, 7日後に実施する。[11C](R)-PK11195は, ポジトロン核医学利用専門委員会が認定した放射性薬剤の基準に従って, 当院のサイクロトロンで多目的合成装置を利用して作成する。無麻酔下でのPETイメージングを行うため, 撮像中は低侵襲の頭部固定装置を用いる。また, ストレスによる影響を軽減するために, [11C](R)-PK11195の自動投与装置を用いる。 エミッション撮影後, [11C](R)-PK11195を静脈から自動注入器を使って急速注入 (標準210 MBq)し, 直ちに全脳ダイナミック撮像を行う。PETイメージングにより, 脳のどの部位がどの程度影響を受けたかを明らかとする。
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