研究課題/領域番号 |
18H02901
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
渡邉 栄三 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (40375639)
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研究分担者 |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
伊藤 千鶴 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80347054)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 敗血症 / オートファジー / メタボローム解析 / バイオマーカー / 盲腸結紮穿孔 / 腹膜炎 |
研究実績の概要 |
敗血症動物モデルとしてのマウス盲腸結紮穿孔腹膜炎(CLP)モデル作成手技に習熟し,安定して侵襲度をそろえたモデルを作成可能となった.対照には単開腹(sham)モデルを置き,両群のメタボローム/脂質網羅解析を行うべくマウス血漿検体採取を行った(未処置,sham 術後8時間, sham 術後24時間, CLP 術後8時間, CLP 術後24時間, 各群n=4). 前年度に既に,下部消化管穿孔による腹膜炎/敗血症のヒト血漿を用いたメタボローム/脂質網羅解析のデータを集積しており,pathway解析,主成分解析などの手法も導入し,多方面から解析中である.そのデータとマウスのデータを比較することから,メタボロミクスから見た敗血症バイオマーカーを検索中である. そして,時期特異的・肝細胞特異的にオートファジーを欠損させた,Alb-CreERT2/Atg5f/fマウスの凍結胚移植による作成が進んでおり,肝臓検体を用いて,オートファジー動態の観点からの敗血症バイオマーカーの絞り込みを進めてゆく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため,動物飼育施設の使用困難から,遺伝子改変マウスの作成に予期せぬ遅れが生じた.
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今後の研究の推進方策 |
敗血症マウスにおけるメタボローム解析(肝・血漿)を行う. Ⅰ-1) C57BL/6J 野生型マウスのCLP(敗血症)とsham単開腹手術モデル(非敗血症)を術後8時間および24時間で比較し,包括的代謝プロファイリングを行う(各群n=4).CLPは,23ゲージ針で盲腸を2回穿刺して作成し,現在データ解析中である. Ⅰ-2) 時期特異的・肝細胞特異的にオートファジーを欠損させたAlb-CreERT2/Atg5f/fマウスにCLPを施行し,C57BL/6J 野生型のCLP施行マウスと比較し,敗血症刺激で変動するオートファジー関連代謝物を導出すべく包括的代謝プロファイリングを行う(各群n=4).以上より,敗血症におけるオートファジー制御機構について,代謝プロファイリングより明らかにし,敗血症バイオマーカーとしての候補物質を同定する.血漿のメタボローム解析データについては,ヒト敗血症と野生型マウスCLPで,共通に変動しているものを同定する. 一方,マウスモデルの肝,リンパ球のオートファジー評価に関しては,LC-3/LAMP1染色による免疫組織染色と,電子顕微鏡所見を合わせて確認する.
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