研究課題
基盤研究(B)
本研究は、日本の都市圏において救急隊要請から患者の転帰に至るまでの救急搬送患者に関する情報を地域網羅的に収集した大規模データベース(ORION)を用いて統計学的に解析し、救急搬送患者の記述疫学的分析や救急搬送患者の予後に影響を及ぼす要因に関する評価を行った。すでに「2018年6月に発生した大阪北部地震における救急搬送患者の実態」、「救急搬送患者の長期入院に与える影響」、「新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の第1波(2020年5月末まで)における救急医療体制への影響」について明らかにした。
救急医学
対象人口が880万人の地域を対象とした救急搬送患者の全例調査を行っている事例は国内外にほとんど存在せず、これらのデータを解析した救急医療に関する様々な要因や影響を明らかにした本研究は救急医療領域における疫学研究としての学術的意義は大きい。さらに、2021年4月時点において日本国内で感染拡大しているCOVID-19による救急医療の逼迫状況を、このデータベースを用いて府内の関係者と情報を共有しており、COVID-19による救急医療の崩壊を防ぐという観点からも、本研究の社会的意義は大きい。