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2018 年度 実績報告書

グリオーマにおける(プロ)レニン受容体をターゲットとした新規分子治療の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18H02913
研究機関香川大学

研究代表者

田宮 隆  香川大学, 医学部, 教授 (50252953)

研究分担者 小川 大輔  香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70524057)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードglioma / molecular therapy / proRenin Receptor
研究実績の概要

グリオーマ細胞株に対する(p)RR抗体の抗腫瘍効果をin vitroにおいて評価する実験において、まず、U87MG,U251,T98Gなどグリオーマ細胞株について、(p)RRの発現について検討した。脳腫瘍細胞において、グレードやグリオーマの予後規定因子であるIDH-1変異に関わらず(p)RRが恒常的に発現しており、さらに悪性化に伴い(p)RR発現量が増加していることを確認した。また、(p)RRをsmall interference RNA (siRNA)でノックダウンすると、細胞の増殖能は抑制された。このことから、(p)RRがグリオーマの腫瘍形成において、IDH-1変異以前の初期段階にドライバー分子として重要な働きを担っていることを我々は示した。
次に、(p)RR抗体を用いて(p)RRの働きを抑制することで、ドライバー分子を失ったグリオーマの腫瘍形成能は失われるか?について解明するために、これらの細胞株を用いて、(p)RR抗体の抗腫瘍効果を検討した。U87MG,U251,T98Gなどグリオーマ細胞株に、(p)RR抗体を投与し、Reporter assayにより、(p)RRとはWnt/βカテニン経路を抑制することで、グリオーマに対し、抗腫瘍効果を発揮していることを明らかとした。また、増殖能、アポトーシス等を検討すると、(p)RR抗体は濃度依存性に腫瘍増殖能を抑制することを明らかとした。さらに、TMZを併用投与による検討では、相加効果が認められた。
以上より、グリオーマ細胞株に対する(p)RR抗体の抗腫瘍効果をin vitroにおいて確認できた。今後は、(p)RRのグリオーマ形成に関わる分子生物学的メカニズムの解明のための実験やIn vivoにおけるグリオーマ細胞株に対する(p)RR抗体の抗腫瘍効果を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

U87MG,U251,T98Gなどグリオーマ細胞株について、グレードやグリオーマの予後規定因子であるIDH-1変異に関わらず(p)RRが恒常的に発現しており、さらに悪性化に伴い(p)RR発現量が増加していることを確認した。また、(p)RRがグリオーマの腫瘍形成において、IDH-1変異以前の初期段階にドライバー分子として重要な働きを担っていることを確認した。さらにU87MG,U251,T98Gなどグリオーマ細胞株に、(p)RR抗体を投与し、Reporter assayにより、(p)RRとはWnt/βカテニン経路を抑制することで、グリオーマに対し抗腫瘍効果を発揮していることを明らかとした。また、(p)RR抗体は濃度依存性に腫瘍増殖能を抑制し、TMZを併用投与により相加効果が認められた。以上、今年度の実験計画に基づいて結果が得られており、順調な進捗状況と考えられる。

今後の研究の推進方策

昨年度に続き、グリオーマ細胞株に対する(p)RR抗体の抗腫瘍効果をin vitroにおいて評価する。さらにグリオーマ幹細胞株や神経幹細胞について詳細な検討を行う。
次に、(p)RRのグリオーマ形成に関わる分子生物学的メカニズムの解明のために、正常神経膠細胞やiPSから分化誘導したヒト神経幹細胞に(p)RRを強制発現させ、腫瘍化するか、増殖能の変化や腫瘍形成能について評価を行う。
また、In vivoにおいては、グリオーマ細胞株に対する(p)RR抗体の抗腫瘍効果を皮下腫瘍モデルにおいて検討する。各種グリオーマ細胞株を免疫不全マウス(Athmic nude)の皮下に移植し、(p)RR抗体またはコントロールとして対照抗体を、皮下腫瘍内に直接組織内投与し、その抗腫瘍効果をin vivoにて比較する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Usefulness of intraoperative MRI during glioma surgery with preoperative PET scans2018

    • 著者名/発表者名
      Miyake K, Ogawa D, Okada M, Hatakeyama T, Okauchi M, Shindo A, Kawanishi M, Tamiya T
    • 学会等名
      The 12th ICME international conference on complex medical engineering ; CME2018
    • 国際学会
  • [学会発表] Management of intraoperative MRI and Neuronavigation System with PET for malignant gliomas2018

    • 著者名/発表者名
      Miyake K, Ogawa D, Okada M, Hatakeyama T, Tamiya T
    • 学会等名
      23RD ANNUAL MEETING and EDUCATION DAY OF THE SOCIETY FOR NEURO-ONCOLOGY
    • 国際学会
  • [学会発表] (Pro)renin receptorはglioblastomaの治療標的となり得るか2018

    • 著者名/発表者名
      藤森健司、小川大輔、河内雅章、柴山弓季、岡田真樹、三宅啓介、西山 成、田宮
    • 学会等名
      第36回日本脳腫瘍学会学術集会
  • [学会発表] (Pro)renin receptorはglioblastomaの治療標的となり得るか2018

    • 著者名/発表者名
      藤森健司、小川大輔、河内雅章、柴山弓季、岡田真樹、三宅啓介、西山 成、 田宮 隆
    • 学会等名
      Neuro-Oncology WEST
  • [学会発表] 悪性神経膠腫に対する術中支援システム(術中MRI、PETおよび5-ALA)を用いた手術の検討2018

    • 著者名/発表者名
      三宅啓介、小川大輔、岡田真樹、畠山哲宗、岡内正信、新堂 敦、川西正彦、 田宮 隆
    • 学会等名
      第77回日本脳神経外科学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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