研究課題/領域番号 |
18H02920
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
麻生 義則 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, ジョイントリサーチ講座教授 (50345279)
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研究分担者 |
辻 邦和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (20323694)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Sirt6 / 骨細胞 / 加齢 / FGF23 / SOST |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、老化制御因子Sirt6とPAI-1のシグナルカスケードに着目し、両者の制御機構を明らかにすると共に、運動器の退行性変化、具体的には加齢に伴う骨密度低下、軟骨変性、骨格筋減少の背景に存在する分子メカニズム、およびその治療法を明らかとすることである。骨細胞特異的にcreリコンビナーゼを発現するDmp1creマウスとSirt6floxedマウスを交配しDmp1cre::Sirt6f/fマウス(Sirt6cKO)を得た。コントロールマウスとSirt6cKOを生後5ヶ月にて屠殺し、大腿骨をμCT、腰椎を非脱灰標本の骨形態計測にて解析した。尿と血液を採取し、骨代謝マーカーを計測した。骨からmRNAを採取し、qPCR法を行った。大腿骨脱灰標本を作製し、骨細胞を組織学的に観察した。骨細胞様細胞株MLO-Y4を培養しsiRNAによってSirt6をノックダウンした。Sirt6cKOマウスは正常に成長し、体重はコントロールマウスと同等であった。大腿骨、腰椎において共にSirt6cKOの海面骨量は減少していた。骨形成マーカーの血中オステオカルシン濃度は低下し、骨吸収マーカーの尿中CTX-1濃度は上昇していた。骨形態計測を行ったところ、Sirt6cKOのBFR,MARは低下し、Oc.s/BS, N.oc/B.Pmは増加していた。骨から採取したmRNAによるqPCRでは、SOSTの発現が亢進していた。骨細胞様細胞株MLO-Y4を培養しsiRNAによってSirt6をノックダウンすると、SOSTの発現が亢進した。加齢に伴う骨量減少は、骨細胞におけるSirt6活性低下に起因する可能性がある。本年度はSirt6によるFGF23の発現制御機構を解析した。同時に、cKOマウスとPAI-1KOマウスを交配してDmp1cre::Sirt6f/f;;PAI-1-/-マウスを作出し、Sirt6とPAI-1のシグナルクロストークを検証した。高齢マウスにPAI-1阻害剤を投与し、筋組織解析、筋力解析を行ったところ、PAI-1阻害剤は加齢に伴う筋線維萎縮と筋力低下を予防することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨細胞特異的Sirt6欠損マウスの解析に続いて、PAI-1欠損マウスの解析も予定通り進行している。Sirt6とPAI-1の関係についても研究が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はこれまで得られた成果を学会、学術雑誌に投稿する。筋芽細胞用細胞株を用いて、PAI-1阻害による加齢抑制メカニズムを分子生物学的に解析する。
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