研究課題
骨粗鬆症は加齢等による骨密度の低下などをもとに、骨の脆弱化が進行した結果、骨折のリスクが高まった状態と定義される。骨粗鬆症患者数は、国内の疫学調査によりおよそ1300万人と見積もられており、大腿骨近位部骨折などの骨脆弱性骨折の発生数も、高齢社会の到来を受けて、増加の一途をたどっている。骨密度低下のリスクとして、閉経などの性ホルモンの低下が知られており、そのメカニズムも申請者らによって徐々に解明されてきていたが、加齢による骨密度低下のメカニズムは明らかではなかった。申請者は、膜貫 通型分子であるectonucleotide pyrophosphatase/phosphodiesterase 1 (Enpp1) がリン代謝の恒常性制御を介して、骨のカルシウム制御並びに全身的な異所性石灰化制御をになっていることを明らかにしてきた。Enpp1遺伝子の機能喪失型の自然変異マウスであるtip toe walkマウス(ttwマウス)では、リン代謝制御の恒常性破綻に基づく異所性石灰化を引き起こすことを示した。また、Enpp1がどの臓器で機能しているかを明らかにするため、Enpp1 floxマウスを新規に樹立することに成功した。様々な組織・臓器特異的なCreマウスと交配することで、Enpp1がどの臓器を起点に全身的なリン代謝の恒常性を制御するのかを明らかにすることが可能となった。さらに、どの組織・臓器でEnpp1が発現するかをリアルタイムでモニターするためにEnpp1遺伝子のローカスにluciferase-EGFP遺伝子をCRISPR/Cas9 systemで組み込んだノックインマウスの新規樹立にも成功した。リン負荷時など、こちらもリアルタイムでEnpp1の発現調節によるリン代謝の恒常性制御機構を明らかにすることが可能となった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 17件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 6件)
J Histochem Cytochem
巻: 69 ページ: 245-255
10.1369/0022155421991634
BMC Musculoskelet Disord
巻: 22 ページ: -
10.1186/s12891-021-04095-x
Sci Rep
巻: 11 ページ: -
10.1038/s41598-021-82696-1
Biochem Biophys Res Commun
巻: 542 ページ: 48-53
10.1016/j.bbrc.2021.01.026
巻: 534 ページ: 165-171
10.1016/j.bbrc.2020.11.122
Bone
巻: 142 ページ: -
10.1016/j.bone.2020.115739
Amyloid
巻: - ページ: 1-6
10.1080/13506129.2020.1858404
Ann Rheum Dis
巻: - ページ: -
10.1136/annrheumdis-2020-219209
PLoS One
巻: 15 ページ: -
10.1371/journal.pone.0242286. eCollection 2020
J Bone Miner Metab
10.1007/s00774-020-01174-2
巻: 10 ページ: -
10.1038/s41598-020-73789-4
Spine Surg Relat Res
巻: 4 ページ: 377-379
10.22603/ssrr.2020-0027. eCollection 2020
巻: 4 ページ: 333-340
10.22603/ssrr.2020-0001. eCollection 2020
Dev Biol
巻: 464 ページ: 137-144
10.1016/j.ydbio.2020.06.004
10.1038/s41598-020-69021-y
巻: 527 ページ: 270-275
10.1016/j.bbrc.2020.04.013
Bone Rep
巻: 13 ページ: -
10.1016/j.bonr.2020.100289. eCollection 2020 Dec