研究課題
NGSを用いた「胚構成細胞の染色体数的異常と胚全体におけるその比率」についての検討を、前年度までに終え、生検サンプルは必ずしも胚全体の染色体の状態を反映しないといった結果を得た。さらに、得られた解析データを多方面から統計解析し、染色体の不一致は特にモザイク胚で顕著なこと、発生に従って一致率が高くなることを見出し、国際誌に投稿済みである(UnderReview)。また胚盤胞の培養上清中に存在するcell free DNA(cfDNA)と長期培養胚の染色体状態との関連の検討についても、前年度までに実験を終え、培養液中のcfDNAは長期培養胚(10dpf)の染色体状態とよく一致することを見出し本年度は結果の詳細な解析および論文執筆を行い、その結果は国際誌に掲載された(PLoS ONE Shitara, Takahashi, Terada 2021)。また胚盤胞の発達はNaK ATPaseによるNa+の取り込みが原動力となっていることから、NaK ATPaseの発現について免疫染色およびqRT-PCRを用いてアイソフォームを含めて解析し、ヒト胚盤胞でNa+取り込みに強く関与しているのはα1とβ3からなるNaK ATPaseであり、また生検細胞で検出されるβ3の相対的量は胚の拡張・収縮の挙動と関連があることも見出された。これにより生検細胞中のβ3は、胚盤胞発生のバイオマーカーとなり得る可能性が示された。本検討の結果について、現在投稿準備中である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS ONE
巻: 16 ページ: e0246438
10.1371/journal.pone.0246438
巻: 16 ページ: e0246337
10.1371/journal.pone.0246337