研究課題
基盤研究(B)
(i) 卵巣癌において、上皮間葉転換が骨髄由来免疫抑制細胞の腫瘍内への集積と腫瘍免疫抑制をもたらしていることを明らかにした。(ii) 腫瘍内不均一性が予後不良に関わっていることを明らかにした。(iii) 卵巣癌における抗VEGF抗体の治療抵抗性が低酸素による骨髄由来免疫抑制細胞の集積によることを示した。(iv) DNA相同組み替え修復機構の異常について包括的な解析を行った。
婦人科腫瘍学
癌における、腫瘍内不均一性(個々の腫瘍細胞の違い)は、治療抵抗性に大きく関わっている。腫瘍内不均一性は、DNA修復機構の異常によって生じる様々なDNAの変異や、DNAメチル化・ヒストン修飾のようなエピジェネティックな変化によって生じる。そして、上皮細胞である腫瘍細胞が、上皮細胞としての性質を失って間葉細胞のような性質を獲得する上皮間葉転換は、腫瘍細胞の性質の変化の代表例である。腫瘍内不均一性を包括的に解析した本研究による成果は、卵巣癌の治療抵抗性を克服し、新規治療法を探索することにつながる。