研究課題
2020年度は、鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株におけるPD-1/PD-L1以外の免疫チェックポイント分子の発現をフローサイトメトリーやウエスタンブロットなどの手法を用いて調べて同定した免疫抑制分子の作用を解析した。同定したサイトカインとT細胞を共培養したところ、抗原特異的T細胞応答が抑制され、腫瘍の上清でも同様の働きを認めたことから、鼻性NK/T細胞リンパ腫は能動的に免疫抑制サイトカインを介して腫瘍増殖を抑制していることが明らかとなった。また、本疾患細胞株で発現が認められる腫瘍抗原由来エピトープペプチドの同定を行い、腫瘍特異的な翻訳後修飾(エピジェネティック修飾)であるリン酸化およびアセチル化抗原蛋白が腫瘍に発現していることを確認し、リン酸化およびアセチル化抗原由来のエピトープペプチドを作製した。リン酸化およびアセチル化エピトープペプチドは特異的に健常人末梢血より抗原特異的T細胞株を誘導することを見出した。これらのT細胞は非修飾エピトープペプチドを認識しないことから、より腫瘍特異的なT細胞を誘導可能と示唆された。さらにこれらのT細胞と腫瘍細胞との共培養系で、T細胞はHLA-DR拘束性かつ腫瘍特異的にTh1サイトカインを産生した。また、ペプチド特異的T細胞は腫瘍細胞を直接認識するのみならず、腫瘍細胞を殺傷可能であった。これらより、本研究で同定したエピトープペプチドはCytotoxic helper T細胞を誘導可能なことが明らかとなった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cancer Immunology, Immunotherapy
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