研究課題/領域番号 |
18H02950
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
任 書晃 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80644905)
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研究分担者 |
吉川 欣亮 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, プロジェクトリーダー (20280787)
太田 岳 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30790571)
崔 森悦 新潟大学, 自然科学系, 研究准教授 (60568418)
日比野 浩 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70314317)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ナノ振動 / 基底板 / 蝸牛 / 位置ずれ |
研究実績の概要 |
昨年度動作確認をおこなったDual SPM干渉計を動物実験に応用した。マウスを対象とした動物実験を実行したが、計測対象である感覚上皮帯の顕微鏡下での目視が困難を極めたため、以前に成功していたモルモットを対象とした計測へと変更した。微小振動パラメータである「振幅」と「位置ずれ」を、正常時、死後の2つの状況で同時計測することに世界で初めて成功した。さらに、感覚上皮帯に存在する「外有毛細胞」の機能を阻害する薬物を投与し、この時には「振幅」の軽度減弱に伴い、「位置ずれ」がほぼ完全に消失することが明らかとなった。これら確度の高い実験データの取得により、「位置ずれ」には、「外有毛細胞」の機能が関わることが初めて実験により証明された。年度の後半は、これらの内容を欧文科学雑誌に投稿することを目標に、論文作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計測対象動物をマウスからモルモットへ変更したが、この適切な判断により迅速に計測結果を収集することができ、計画2年目にもかかわらず、論文投稿への準備をほぼ終えることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
欧文科学雑誌への投稿を進めていくとともに、Dual SPM干渉計を用いたマウスでの振動計測は困難であることが判明してきたため、異なるアプローチから難聴モデル動物を対象とした計測へ再度挑戦する。具体的には、当教室で利用可能な高性能光コヒーレンス断層撮影装置(en-face OCT, SCSD-OCT)を利用したいと考えている。
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