研究課題/領域番号 |
18H02953
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
神谷 和作 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10374159)
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研究分担者 |
小池 卓二 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10282097)
安齋 崇 順天堂大学, 医学部, 助教 (20624852)
福永 一朗 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20746581)
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 内耳有毛細胞 |
研究実績の概要 |
蝸牛では音の周波数帯により特定領域の有毛細胞に限定的に振動を伝える機構により厳密な音の周波数弁別を可能としている。近年、音感の異常を主訴とする周波数弁別の異常が散見されるがその原因は不明で客観的診断基準がないのが現状である。我々は遺伝子改変マウスの外有毛細胞の聴毛形成異常により、著しい周波数弁別異常を持つ全く新しいタイプの聴覚障害を発見した(Kamiya, PNAS, 2014)。同マウスは周波数弁別異常を持つ初めてのモデル動物であり、周波数弁別機構と聴覚神経系発達への影響を解できる有用なモデルとなる。さらにiPS細胞から蝸牛細胞を作製する技術開発により難聴病態を再現し、同様の方法で有毛細胞の作製を行っている。周波数弁別異常を持つ難聴マウスは基底回転(高音域)から頂回転(低音域)への基底板振動の伝搬異常があることが予測される。この現象の原因となる物理的要因を探索することが周波数弁別異常を解明するための鍵となると考えられる。しかし基底板の直接観察は計測が困難なため、電通大・小池研究室で構築されたシミュレーションによる蝸牛モデルを改変することにより、基底回転有毛細胞の異常から頂回転側への伝搬が異常になる変動要素を探索している。本年度はさらにiPS細胞から内耳への分化誘導実験により蝸牛上皮細胞のConnexin26、Connexin30を発現してギャップ結合を形成する細胞シートの作成法を効率化した。さらに蝸牛器官培養の技術により、in vitroでの有毛細胞への効率的な遺伝子導入の条件を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究棟の取り壊しにより、聴力検査施設のある動物施設が移転する予定であったが、大学の決定により工事計画が中止となったため、聴力解析の動物実験が再開することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
中止された動物の聴力検査施設の工事が本年度再開されるため、これらの工事が完了次第、聴力解析設備のセッティングを早急に行い、これまでと同様の聴力解析を可能する。
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