研究課題/領域番号 |
18H02958
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70191963)
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研究分担者 |
野崎 実穂 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00295601)
安川 力 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00324632)
植村 明嘉 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30373278)
平野 佳男 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40405163)
吉田 宗徳 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60273447)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 糖尿病網膜症 / 線維血管増殖膜 / ペリサイト / 筋線維芽細胞 / マクロファージ |
研究実績の概要 |
増殖糖尿病網膜症では線維血管増殖膜に含まれる筋線維芽細胞の起源について、諸説あるものの未だ明らかにされていない。一方、我々が確立したペリサイト消失網膜症モデルマウス(Ogura et al. JCI Insight 2017)では、血管透過性亢進に伴う漿液性網膜剥離に引き続いて、網膜下の線維化が進行されることが明らかとなった。平成30年度はEdnraCreERT2:R26R-EYFPレポーターマウス、およびTyrCre:R26R-H2B-mCherryレポーターマウスを用いたcell fate mapping解析により、網膜下の線維化組織に含まれる筋線維芽細胞が、血管壁から解離したペリサイトと、網膜色素上皮細胞の双方に由来することを明らかにした。さらに筋線維芽細胞の周囲には、多数のマクロファージが浸潤することが明らかとなったが、CX3CR1-CreERT2:R26R-EYFPレポーターマウスの解析により、マクロファージが筋線維芽細胞に分化転換する可能性は否定された。線維化が進行する過程では、TGFβ, CTGF, IL-4, IL-10, IL-11, IL-13などの発現が上昇することから、これらのサイトカインが、マクロファージと筋線維芽細胞の相互作用や、筋線維芽細胞の分化・増殖・遊走・マトリックス産生を制御すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は、IL-11-GFPマウスなどのレポーターマウスや、免疫組織化学染色法、in situ hybridization法などを用いて、線維化に関与することが予想されるシグナル分子と、その受容体の網膜組織内局在を同定する。さらに、遺伝子組換えマウスや阻害抗体等を用いて、ペリサイト消失網膜における線維化の分子メカニズムを解明する。
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