研究課題/領域番号 |
18H02960
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 和男 京都大学, 医学研究科, 助教 (50633161)
|
研究分担者 |
中邨 智之 関西医科大学, 医学部, 教授 (20362527)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | Fibulin-4 / コラーゲンクロスリンク / 真皮組織 |
研究実績の概要 |
まず培養細胞を用いたin vitroの実験系で、コラーゲン分子の架橋の有無によるコラーゲン線維形成への影響を評価する実験系を確立する。具体的には、野生型マウス、Fibulin-4欠損マウス、それぞれのマウス胎児線維芽細胞(MEF)を採取し、カバーガラス上で培養後、I型およびIII型コラーゲンの免疫染色を行い、コラーゲン線維の形成を評価した。このin vitroの実験系において、Fibulin-4がコラーゲン線維の形成には必須ではないことが分かった。 次に生体内において、Fibulin-4がコラーゲン線維形成において果たす役割を検証するため、真皮コラーゲンの形成におけるFibulin-4の役割を解析することとした。真皮線維芽細胞特異的にFibulin-4が欠損したマウスを作製する必要がある。そのために、それぞれの遺伝子領域に組換え酵素認識配列を挿入したマウス(floxマウス)と組織特異的組換え酵素を発現するマウス(Creマウス)を交配させる必要がある。その結果、出生直後に死亡せず、Fibulin-4が真皮線維芽細胞において欠損した成獣マウスを作製することが可能である。具体的には、まずFbln4 floxマウスの作製を行った。さらに、真皮において組換え酵素を発現するマウスを導入した。 さらに、背部皮膚創傷治癒・瘢痕形成モデルの作製を行った。背部に直径8 mmの全層皮膚欠損創を作製した。創作成後6-8週でマウスを安楽死させ、瘢痕治癒部を採取し凍結切片を作製した。瘢痕部のコラーゲン線維の変化を組織学的に評価した。また瘢痕組織中の白血球、特にマクロファージの存在と細胞外マトリックスの形成の関連があるかどうかを検討するため、蛍光免疫染色を行う評価系を作製した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたリジルオキシダーゼのfloxマウスの作製が遅れているが、Fibulin-4のfloxマウスと真皮特異的組み換え酵素発現マウスは導入することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
リジルオキシダーゼのfloxマウスの作製を進める予定。
|