研究課題
ScxTomato;Sox9GFPマウス胚を用いて、13.5日胚から線維芽細胞を分離し培養を進めるとともに、セルソーターでの解析を行った。また、樹立したScxGFP iPS細胞を用いて腱・靱帯分化誘導過程の詳細な解析を行った。まず、未分化ScxGFP iPS細胞を、ウシ胎仔血清とインスリン存在下でヘッジホッグシグナル阻害剤であるCyclopamineとGSK3阻害剤であるCHIRを添加した培地で培養し、間葉系前駆細胞へ分化誘導した。さらに、Transforming growth factor (TGF)-beta2を添加すると、GFPを発現するScx陽性細胞が多数出現し、これらの細胞は、Tenomodulin、Mohawk、Col1a1などの腱・靱帯分化マーカーを腱組織から分離した培養腱細胞より高いレベルで発現していた。また、Scx陽性細胞には、Sox9を共発現するScx/Sox9陽性細胞も存在していた。分化誘導過程における遺伝子発現プロファイルを明らかにするために、TGF-beta2添加前、添加後後3、6、9日目の細胞の解析を行った。解析結果から、確立した腱・靭帯細胞分化誘導過程において、間葉系前駆細胞、腱・靭帯前駆細胞、腱・靭帯細胞を含むクラスターが、マーカー遺伝子の発現によって同定された。また、間葉系前駆細胞は、Scx陽性の腱・靭帯前駆細胞を経て、最終的にTnmdなどの成熟マーカーを発現する腱・靭帯細胞のクラスターに収束することから、in vitroの分化培養系におけるクラスター間の時系列関係が、in vivoの腱形成過程を反映していることが明らかとなった。さらに、Scx欠失マウスと野生型マウスの腱でのRNA SeqのデータとScxGFP iPS細胞の腱・靱帯分化誘導過程のシングルセル解析で得られたデータを用いて、Scx関連遺伝子を同定することに成功した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Bone
巻: 149 ページ: in press
10.1016/j.bone.2021.115969
PLOS ONe
巻: 15 ページ: e0242286
10.1371/journal.pone.0242286
整形・災害外科
巻: 63 (5) ページ: 833-838
巻: 63 (12) ページ: 1685-1689