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2020 年度 実績報告書

骨神経免疫システム包括制御理論の構築と応用

研究課題

研究課題/領域番号 18H02970
研究機関生理学研究所

研究代表者

丸山 健太  生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 特別協力研究員 (60724119)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード血管新生 / 血管透過性 / 敗血症 / VEGF / マクロファージ / St18
研究実績の概要

マクロファージで特異的にSt18を欠損させたマウスを作ったところ、炎症性サイトカインの発現が正常であるにもかかわらず敗血症やDSS腸炎ですぐに死んでしまった。敗血症やDSS腸炎では血管透過性が上昇することで血圧が低下する。そこで、エバンスブルーを静脈に注射し、さまざまな臓器をとりだして当該色素の濃度を測定したところ、マクロファージで特異的にSt18を欠損させたマウスで濃度が高くなっていることが判明した。このことは、St18の欠損が全身の血管透過性を高めていることを意味する。また、網膜や腸に分布する血管の数はマクロファージで特異的にSt18を欠損させたマウスで増加しており、St18の欠損は血管新生を増大させていた。トランスクリプトーム解析をおこなったところ、血管透過性と血管新生を促進するVEGFの発現がSt18を欠損するマクロファージで上昇していた。そこで、マクロファージで特異的にSt18を欠損させたマウスにVEGFのシグナルを抑制するAxitinibを投与したところ、敗血症とDSS腸炎に対する脆弱性が改善した。VEGFのプロモーター解析を行ったところ、Sp1の結合配列が存在していた。そこで、マクロファージにSp1を過剰発現させたところ、VEGFのプロモーターが活性化することでVEGFの発現が誘導された。また、St18を欠損するマクロファージでは野生型より多くのSp1がVEGFプロモーターに結合しており、St18を欠損するマクロファージから産生されるVEGFの量はSp1の阻害剤をふりかけることで抑制された。また、生化学的な解析から、St18はSp1と直接結合することでSp1のVEGFのプロモーターへの結合を阻害する因子であることが判明した (Maruyama et al Cell Rep, 2020)。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ARMI(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      ARMI
  • [雑誌論文] Senso-immunology: crosstalk between nociceptive and immune systems2021

    • 著者名/発表者名
      Kenta Maruyama*.
    • 雑誌名

      FEBS J

    • DOI

      10.1111/febs.15846.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 感覚免疫学2021

    • 著者名/発表者名
      丸山健太
    • 雑誌名

      ブレインサイエンスレビュー2021

  • [雑誌論文] 腸内細菌RNAのセロトニン誘導による腸と骨の恒常性の制御2021

    • 著者名/発表者名
      丸山健太
    • 雑誌名

      バイオサイエンスとインダストリ―

      巻: 79 ページ: 34-35

  • [雑誌論文] Zinc finger protein St18 protects septic death by inhibiting VEGF-A from macrophages.2020

    • 著者名/発表者名
      Maruyama K*, Kidoya H, Takemura N, Sugisawa E, Takeuchi O, Kondo T, Eid MMA, Tanaka H, Martino MM, Takakura N, Takayama Y, Akira S, Vandenbon A, Kumagai Y.
    • 雑誌名

      Cell Rep

      巻: 32

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2020.107906.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] RNA sensing by gut Piezo1 is essential for systemic serotonin synthesis.2020

    • 著者名/発表者名
      Sugisawa E, Takayama Y, Takemura N, Kondo T, Hatakeyama S, Kumagai Y, Sunagawa M, Tominaga M, Maruyama K*.
    • 雑誌名

      Cell

      巻: 182 ページ: 609-624

    • DOI

      10.1016/j.cell.2020.06.022.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enhancing the regenerative effectiveness of growth factors by local inhibition of interleukin-1 receptor signaling.2020

    • 著者名/発表者名
      Julier Z, Karami R, Nayer B, Lu YZ, Park AJ, Maruyama K, Kuhn GA, Muller R, Akira S, Martino MM*.
    • 雑誌名

      Sci Adv

      巻: 6

    • DOI

      10.1126/sciadv.aba7602.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 腸のPiezo1はセロトニン産生を介して腸と骨の恒常性を調節する2020

    • 著者名/発表者名
      丸山健太
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 38 ページ: 3256-3258

  • [雑誌論文] 痛みは如何にして感知され、どのような意味を持つのか?~末梢性疼痛のしられざる発生機構とその生体調節機能~2020

    • 著者名/発表者名
      丸山健太
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 38 ページ: 388-395

  • [学会発表] “微生物による骨破壊のメカニズム”2021

    • 著者名/発表者名
      丸山健太
    • 学会等名
      日本解剖学会総会・日本生理学会大会 合同シンポジウム
    • 招待講演
  • [備考] Kenta Maruyama

    • URL

      https://www.moleculargerontology.com/

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公開日: 2021-12-27  

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