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2018 年度 実績報告書

歯周組織再生のための幹細胞コンピテンシーの解明と細胞移植治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18H02976
研究機関大阪大学

研究代表者

竹立 匡秀  大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)

研究分担者 藤原 千春  大阪大学, 歯学研究科, 助教 (00755358)
山口 佳則  大阪大学, 工学研究科, 招へい教授 (20386634)
大倉 華雪  藤田医科大学, 再生医療支援推進施設, 教授 (20589684)
村上 伸也  大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70239490)
岩山 智明  大阪大学, 歯学研究科, 助教 (80757865)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード歯周組織再生 / 再生医療 / 脂肪組織由来多系統前駆細胞
研究実績の概要

本研究課題では、歯周組織再生誘導のための細胞移植治療に用いられたヒト脂肪組織由来多系統前駆細胞(ADMPC)を、歯周組織再生力価を基準にhigh performer :HPとlow performer :LPに分類し、それぞれの細胞特性を解析することにより歯周組織再生に必要な幹細胞コンピテンシーを解明することを目的に研究を遂行している。
2018年度は、上記細胞移植治療を受けた被験者から移植に際し残余した細胞についてその特性を解析する臨床研究への参加に関して同意を取得した。その後HP、LPの各細胞を培養、凍結保存し、細胞バンクを作製した。HPとLPそれぞれから2系統の細胞(HP1、HP2、LP1、LP2)を培養し、培養上清を回収後、nanoLC-MS/MS分析を実施した。その結果、培養上清中からADMPC由来の334種の分泌タンパクが検出され、HPとLPにおいて差のある数種類のタンパク質を同定した。一方で、HPとLPからmRNAを回収し、アジレント社製マイクロアレイを用いてtranscriptome解析を実施した。LPに比べHPで2倍以上の発現を認めたプローブが207、反対にLPで2倍以上の発現を認めたプローブが236検出された。発現差を認めた遺伝子群のうち、歯周組織再生に関与する候補遺伝子を選定している。一方で、HPとLP各2系統のmRNA発現について階層的クラスター解析を実施したところ、LP1とLP2の遺伝子発現に高い類似性が見出され、ついでHP1、HP2という順となった。このことは、HPとLPが遺伝子発現パターンで規定される可能性を示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年に実施予定であったHPとLPの選別および細胞バンクの構築が完了し、プロテオーム解析およびトランスクリプトーム解析も予定通り実施した。培養上清中のエクソソームに関する解析については、エクソソームの分離条件について検討中であり、予定よりもやや遅れがあるものの、トランスクリプトーム解析にて得られたHPとLPの遺伝子発現プロファイルに関する解析については予定以上に進捗している。

今後の研究の推進方策

2018年度に得られた結果を基に、HPとLPのもつ分子基盤情報をより詳細に解析しデータベース化する。特に培養上清に含まれる分泌型生理活性物質については培養上清中エクソソームに含まれるタンパクおよびmicroRNAに着目し詳細な解析を進める。
得られた結果に関してバイオインフォマティクス解析を活用し、歯周組織再生に必要となる幹細胞コンピテンシーの中核となる候補遺伝子および分泌型生理活性物質の同定を試みる。そして同定された遺伝子をADMPCに導入することにより、細胞性状が歯根膜細胞等の歯周組織構成細胞のもつ細胞のプロファイルに近づくのか否かを検討する一方で、HPから分泌された歯周組織再生に重要な役割を担うと考えられる生理活性物質が歯根膜細胞等の歯周組織構成細胞の増殖、分化、遊走等の細胞機能に及ぼす影響を解析することにより、幹細胞コンピテンシーのバリデーションを行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 自己脂肪組織由来多系統前駆細胞移植による歯周組織再生療法の開発2019

    • 著者名/発表者名
      竹立匡秀、村上伸也
    • 学会等名
      第18回日本再生医療学会総会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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