研究課題/領域番号 |
18H02991
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
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研究分担者 |
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60613156)
辻 孝 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (50339131)
宝田 剛志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 研究教授 (30377428)
渡辺 亮 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (60506765)
ハラ エミリオ・サトシ 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40779443)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 歯の再生 / iPS干渉法 / 象牙芽細胞マスター遺伝子 / エナメル芽細胞マスター遺伝子 |
研究実績の概要 |
本申請研究は,歯科医学において未達成の重要な研究課題である「エナメル芽細胞・象牙芽細胞のマスター遺伝子」を同定し,それを利用して生理機能を有した 臓器としての歯の再生法を開発することを目的としている.具体的には,1器官原基法を応用した発生学的アプローチ,2レーザーマイクロダイセクションを応 用した組織学的アプローチ,3既知の重要な転写因子を利用した絞り込み等の技術を総動員してエナメル芽細胞・象牙芽細胞分化時におけるマスター遺伝子の絞 り込みを行い,iPS細胞樹立技術を逆手に取ったマスター遺伝子同定法(iPS干渉法)やゲノム編集技術を駆使してエナメル芽細胞・象牙芽細胞のマスター遺伝子を同定する. 2018年度に,発生過程の歯胚から定期的に組織を回収し,RNA-Seq解析データ,ヒト歯乳頭由来間葉系幹細胞 (以下, hSCAP),ヒト骨髄由来間葉系幹細胞,ヒト成人皮膚由来線維芽細胞 (以下, hADF)のRNA-Seq解析データを照らし合わせ,幹細胞の象牙芽細胞への分化や象牙芽細胞自身の分化に関わっている可能性がある転写因子を抽出した. 2019年度は,hSCAPに山中4因子と上記で抽出された転写因子を一つずつ入れ,どの転写因子が山中4因子の導入によるiPS細胞への誘導を阻害するのか検討した.その結果,13転写因子がiPS細胞への誘導を阻害することが明らかとなった.現在この13転写因子をhADFに遺伝子導入し,hADFがhSCAPにdirect reprogramingされていないか様々な方法で検討を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はiPS干渉法を実施し,hSCAPに重要な転写因子として13因子の抽出が終わっており,概ね順調に進んでいると考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,iPS干渉法にて抽出された13転写因子をhADFに遺伝子導入し,hSCAPへと分化誘導可能か検討を行う.また,誘導がうまくいっているかは,幹細胞マーカーの確認,多分化能などを指標に評価する.また,さらに転写因子を絞り込むため,13転写因子から一つずつ転写因子を除いて遺伝子導入し,どの転写因子が本細胞において重要かを明らかにする.
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