研究課題/領域番号 |
18H02995
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
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研究分担者 |
近藤 祐介 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (00611287)
柄 慎太郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (20759386)
向坊 太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50635117)
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60397940)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 骨吸収 / 骨代謝 / キネシン |
研究実績の概要 |
これまで、本研究においては、 (1)人工無重力装置を用いた物理刺激の遮断による骨細 胞のcilia(繊毛)関連シグナル伝達分子の挙 動変化 (2)超音波等の物理刺激による 骨細胞への影響 (3)骨吸収を制御する生体分子について明らかにすることにより、 生理的な骨吸収を臨床的に制御し抑制 する分子医学的アプローチを可能にすること を目指してきた。 今年度は、特に骨吸収を制御する生体分子に着目して検討を行った。チロシンキナーゼSrcおよびそのアダプター分子Crk-associated substitute (Cas)それぞれの遺伝子欠損マウスは破骨細胞の骨吸収機能の低下により骨量が増加することが知られている。しかし、SrcおよびCasがどのように破骨細胞の骨吸収を制御しているか、その分子メカニズムには不明な点が多い。そこでSrcおよびCas下流で骨吸収を制御する新たな分子の同定を試みた。野生型、SrcあるいはCas遺伝子欠損マウスの脾臓を分化誘導させた破骨細胞からmRNAを採取し、マイクロアレイ解析をおこなった。そしてSrcおよびCas遺伝子欠損破骨細胞で発現量が減少した遺伝子のうち、細胞骨格制御に関与するキネシンファミリータンパク質Kif1cに着目した。破骨細胞におけるKif1cの発現量を検討したところ、分化とともに増加した。さらにshRNAによりKif1cをノックダウンした破骨細胞では骨吸収能の指標となるアクチンリングの形成が抑制された。これらの結果より、Kif1cはSrc-Casの下流で破骨細胞のアクチンリング形成さらには骨吸収を制御している可能性があることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究においては、 (1)人工無重力装置を用いた物理刺激の遮断による骨細 胞のcilia(繊毛)関連シグナル伝達分子の挙 動変化 (2)超音波等の物理刺激による 骨細胞への影響 (3)骨吸収を制御する生体分子について検討を行ってきたが、今年度は、とくに骨吸収を制御する生体分子として細胞骨格制御に関与するキネシンファミリータンパク質Kif1cに着目し、その骨吸収制御メカニズムの一端を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
株化骨細胞の微小重力環境での3D培養と,通常(1G)環境下での培養において発現量に差が認められる分子の網羅的探索を継続する. さらに今年度は、骨細胞のメカノセンサーにおける一次繊毛の主要なメカニズムを解明するため、一次繊毛の主要なターゲットと考えられてい るTRPV4 (Transient Receptor Potential Vanilloid 4)カルシウムチャネルのノックアウトマウスを使い、尾部懸垂モデルによる骨組織の廃用 性萎縮に一次繊毛を介したメカニズムがどのように影響を与えるか検討する予定である。
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