研究分担者 |
佐々木 朗 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00170663)
吉田 祥子 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (00616047)
青山 絵理子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10432650)
國定 勇希 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10779416) [辞退]
滝川 正春 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (20112063)
奥井 達雄 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (40610928)
長塚 仁 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70237535)
高畠 清文 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70736537)
久保田 聡 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90221936)
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研究実績の概要 |
昨年度までの研究成果から,ソニックヘッジホッグ(SHH)関連シグナル分子が,歯肉癌患者の予後に関与することがわかってきた。悪性黒色腫も歯肉癌と同様に進展症例では顎骨破壊を認め,患者の生命予後が有意に低下することが報告されている。しかしながら,悪性黒色腫(メラノーマ)におけるShhの発現,骨破壊におけるその役割はほとんどわかっていないのが現状である。はじめにヒト皮膚メラノーマ切除標本(48症例)を使用しSHH,そのシグナル転写因子Gli-1およびGli-2の発現を調べたところ,SHH,Gli-1およびGli-2発現は,正常皮膚と比較して有意に腫瘍細胞に強発現していることが明らかとなった。そこでマウスメラノーマB16細胞をC57BLマウス脛骨に移植を行い,メラノーマ癌骨破壊モデルを作成し,Gli-1およびGli-2 dual inhibitor GANT61を腹腔内投与後,15日目に脛骨の免疫組織学的評価を行なった。マイクロCT解析にてコントロール群では癌による皮質骨の破壊を認め,組織学的にも皮質骨を破壊していることが確認できた。一方でGANT61投与群では癌細胞周囲の皮質骨の破壊領域は少なく,骨髄内部の腫瘍細胞に接した皮質骨表面に出現した破骨細胞数の減少,メラノーマ特異的抗原であるMelan A陽性腫瘍細胞数の減少,腫瘍内のproliferating cell nuclear antigen (PCNA)陽性腫瘍細胞数の減少,SHH, Gli-1,Gli-2発現腫瘍細胞数の減少を認めた。GANT61のB16細胞に対する効果をみたところ,1,091 遺伝子の有意な変動を認め(発現上553,発現低1538),Gene Set Enrichment AnalysisでアポトーシスおよびPD-L1遺伝子発現に関わるパスウエイに有意な変動を認めることが明らかになった。
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