研究課題/領域番号 |
18H03014
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
江國 大輔 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70346443)
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研究分担者 |
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
友藤 孝明 朝日大学, 歯学部, 教授 (80335629)
片岡 広太 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80744185)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マイクロRNA / アルツハイマー病 / 歯周病 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、歯周病と糖尿病がアルツハイマー病の発症・進行にどのような影響を与えるかを、マイクロRNAを切り口に調べることである。通常ではアルツハイマー病を発症しないワイルドタイプマウスとアルツハイマー病を自然に惹起するモデルを用いて、歯周病のみ、糖尿病のみ、あるいはその相加・相乗作用でアルツハイマー病を引き起こすかどうか、および進行をさらに促進するかどうかを調べる。 アルツハイマー病を自然に惹起するモデルのマウス(B6-AppNL-F/NL-F/JおよびB6-AppNL-G-F/NL-G-F/Jの雄、6か月齢)およびそのコントロールマウス(B6-AppNL/NL/J)をそれぞれ対照群、歯周病群、糖尿病群、歯周病+糖尿病群の4群に分けた。対照群は通常食で飼育した。歯周炎群にはベースライン時に下顎第一臼歯に歯周病を惹起させるため絹糸を巻いて(イソフルランによる吸入麻酔下で巻く)、通常食を与えた。糖尿病群は高脂肪高蔗糖食(D12331;58 kcal% fat from coconut oil + 28 kcal% sucrose, Research Diet)を与えた。歯周病+糖尿病群では、絹糸を臼歯に巻き付けて歯周炎を惹起して高脂肪高蔗糖食を与えた。 前年度の研究結果から、B6-AppNL-G-F/NL-G-F/Jのマウスでは、歯周病+糖尿病群のY字迷路テストの正答率が対照群よりも低値を示したことから、このモデルマウスの脳を調べることとした。パラフィン包埋を行った脳から、薄切切片を作製した。先行研究で使用されているアミロイドベータの1次抗体を購入して、予備染色の結果をもとに、免疫染色を行った。その結果、歯周病+糖尿病群の海馬におけるアミロイドベータの集積部位数は、対照群と比較して高値を示した。また、KB染色を行い、神経細胞数を計測した。その結果、歯周病+糖尿病群の海馬における神経細胞数は、対照群と比較して低値を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脳の解析が予定よりも遅れているため、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
脳からマイクロRNAおよびmRNAを抽出し、次世代シークエンスによる網羅的解析を行う。
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