研究課題/領域番号 |
18H03023
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮崎 貴久子 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (70464229)
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研究分担者 |
堀松 高博 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (40511829)
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (60362472)
中山 健夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (70217933)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | がん終末期 / 倦怠感 / 標準治療 / RCT / エビデンス総体 / ステロイド / 診療ガイドライン / システマティックレビュー |
研究実績の概要 |
倦怠感はがん終末期患者のほとんどに見られるが、治療の標準化はされていない。本研究では、その標準化を目指して3つの課題に順次取り組む。 まず課題1では、ステロイドの倦怠感治療への有効性を検証する目的で、多施設共同プラセボ対照二重盲検ランダム化臨床試験を完遂する。倦怠感は「患者の主観的感覚」である(EAPC, 2008)ので、有効性評価には、より厳密な研究デザインを採用する必要があった。この試験結果を受けて、次の課題2では、がん終末期の倦怠感治療に関して収集しえた全ての研究報告の結果をアウトカムごと、研究デザインごとに評価してまとめる倦怠感治療のエビデンス総体(body of evidence)を疫学・統計学の観点から検討する。最後の課題3で、検討したがん終末期の倦怠感治療に関するエビデンスの確実性を協議して、診療ガイドラインの推奨へ資する提言をする。本研究は、エビデンスを「つくる」から、実臨床に「つたえる」までをも視野に入れている。 初年度(2018年度)の実績は、課題1.臨床試験「進行がん患者に対するステロイド投与の倦怠感とQOLへの影響に関する多施設共同プラセボ対照二重盲検ランダム化臨床試験」(UMIN000011913)の症例登録を終了した。対象は、進行がんで倦怠感があるPS2・3の終末期患者で、本人と家族の研究参加同意を文書で得られた者である。目標症例数には至らなかったが、年度当初の計画通りに登録を終了することとした。課題2.の準備として、倦怠感治療のエビデンス総体(body of evidence)を疫学・統計学の観点から検討するメンバー候補者の検討に入った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度の予定通りに臨床研究の登録を終了し、データの症例検討を準備中であるので、おおむね順調に進んでいる。 計画の変更点は、予定していた研究協力者への説明会の開催時期を2019年2月から6月にしたことである。 当初の予定より時期をずらしたのは、ある程度具体的に説明できるようになってからの会合開催の方が、研究協力者同士での意見交換や情報提供ができ、より有意義な会合になると考えたからである。
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今後の研究の推進方策 |
課題1の臨床試験の解析をして、その結果の解釈を検討したのち、論文化する。 課題2のシステマティックレビューの準備を開始する。 課題3のがん終末期の倦怠感治療に関するエビデンスの確実性を協議して、診療ガイドラインの推奨へ資する提言を目指す。
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