研究課題/領域番号 |
18H03034
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
藤森 麻衣子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 室長 (40450572)
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研究分担者 |
内富 庸介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 部門長 (60243565)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | コミュニケーション / AYA / 患者・医療者関係 / コミュニケーション・スキル・トレーニング / がん |
研究実績の概要 |
本年度は、研究③:昨年度までに開発した思春期世代がん患者との基本的なコミュニケーションを習得することを目的としたコミュニケーション・スキル・トレーニング(communication skills training: 以下CST)プログラムに関して、思春期若年成人(adolescent and young adult: 以下AYA)世代の乳がん経験者にインタビューを行い、患者の立場での意見を聴取した。思春期世代の患者は非常に少ないこと、AYA世代として様々なライフステージの問題に取り組まれるようになっていることなどから、思春期世代のみならず若年成人を含めたAYA世代がん患者とのコミュニケーションを習得するプログラムの開発を求められた。そのため、開発委員で話し合い、AYA世代がん患者とのコミュニケーションを学ぶCSTプログラム(AYA-CST)に変更し、講義、シナリオ等の改訂を行なった。研究④:開発したAYA-CSTプログラム(事前講義(約30分)、AYA世代模擬患者とのロールプレイ(半日))をコロナ禍の影響がありオンライン研修会として行なった。AYA-CSTプログラムはこれまで開発し実施されてきたSHARE-CSTプログラムのアドバンスコースの位置付けとして、SHARE-CST修了者を対象としたプログラムとなった。本年度はまずSHARE-CSTの認定ファシリテーター3名を対象としベータ版プログラムを試行した。受講者は血液内科医1名、緩和ケア医2名であった。プログラム終了後、受講者にアンケート調査を行ない、講義、模擬患者のケース、シナリオ、ファシリテーション、グループディスカッション等について改善点と意見を伺った。アンケート結果について開発委員会で検討し、次年度は実施手順書、AYA-CSTプロトコル、AYA模擬患者のマニュアル作成に取り組み、改訂したプログラムの施行を計画した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
AYA世代の乳がん経験者にインタビューを行い、患者の立場で意見をいただいた結果、思春期世代のみならず若年成人を含めたAYA世代がん患者とのコミュニケーションを習得するプログラムの開発を求められたため、改訂を要したこと、また、コロナ禍で研修会をオンライン開催とする必要があり、オンラインCST研修会の開発も並行して行ったため、進捗がやや遅れたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、研究③:今年度のプログラム試行の結果を受け、実施手順書、AYA-CSTプロトコル、AYA模擬患者のマニュアル作成に取り組み、改訂する。研究④:研究③で改訂したプログラムに関してパイロット研究を行い実施可能性を検討する。日本サイコオンコロジー学会主催コミュニケーション技術研修会のためのファシリテーター養成講習会修了者118名を対象に実施し、プログラム参加前後の参加者のAYA世代とのコミュニケーションに対する自信、プログラムの有用性、満足度を評価し、既に全国調査として実装科学的に有効性が評価されているプログラムの結果との比較により有効性を検討する
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