研究課題/領域番号 |
18H03037
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10210337)
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研究分担者 |
鈴木 孝太 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90402081)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 出生コホート / DOHaD / メンタルヘルス / 思春期 |
研究実績の概要 |
DOHaD(Developmental Origins of Heath and Disease)の視点から思春期、青年期の健康支援に資する科学的根拠を創生することを目的としている。すなわち、胎児期から幼児期の環境要因と遺伝要因が、思春期および青年期の心身の健康に及ぼす影響を明らかにすることであり、特に、肥満、やせなどの体格、アレルギー、う蝕、メンタルヘルスをアウトカムとし、その要因を明らかにする。 2021年度は、例年のように乳幼児健診、思春期健診で本調査を実施した。そのデータをもとに、胎児期から幼児期に収集した生活習慣や社会経済学的変数に加えて、学校と協力した思春期調査で収集した児童、生徒の生活習慣と心身の健康状態をリンケージしたデータベースを作成した。 2021年度は成人期の調査を準備したが、コロナ禍の影響で実施できなかった。2022年度の実施に向けて自治体との協議を行う。 一方で、成果の地域還元として、地域の広報誌に特集を組んで本研究の成果を報告した。特に、ICT利用と思春期の生活習慣、メンタルヘルスの関連について解説した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度までに甲州市が実施した乳幼児健診、学校健診のデータを入手して突合を行い、コホートデータを完成させた。2021年度は新型コロナの影響により、若干計画が遅れたが、乳幼児健診、学校健診のデータ収集ができている。一方で、成人期のデータはコロナ禍の影響が大きく、成人式での情報収集が不可能であった。最終年に向けた対応を検討する。
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今後の研究の推進方策 |
1.データの収集は2022年の思春期調査を実施する。内容は思春期調査は生活習慣、起立性調節障害、バールソン抑うつ尺度、ネット依存(ヤングのスケール)で、ネット依存については小学生にも実施することとした。また、学校健診における身長体重のデータを入手する。 2.データリンケージは思春期調査対象者の妊娠届け出時調査、乳幼児健診データ(3・4か月、7・8か月、1歳6か月、3歳、5歳)のデータと突合し、データクリーニングを実施する。 3.青年期調査(二十歳の健康チェック)は新型コロナウイルスの影響で実施が困難と思われるが、実施に向けて、質問表の作成、健診場所の確保、実施通達手段など、行政等との調整を行う。対象者に対して、生活習慣(栄養調査、食生活、飲酒、喫煙、運動習慣、身長・体重等)、疾病既往の質問票による調査を実施する。メンタルヘルスについてはSES-Dを実施する。身長・体重は自記式とする。採血を実施して、生化学および血算、遺伝子解析用の生体試料を入手する。サンプルは、研究費で購入したフリーザーに保管する。 4.遺伝子解析は肥満関連遺伝子(β3-AR,UCP1,β2-AR など)、アレルギー関連遺伝子の遺伝子型を同定し(DNAチップを設計済み)、出生コホートのデータセットに加える。 5.思春期の5年間の成果のまとめを行う。
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